【レビュー】写真家が見るGoogle Pixel 3の素晴らしさ|三井公一

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はじめに~Google Pixel~


 近年、スマートフォンのカメラ性能向上がめざましい。「AI」を活用して一眼カメラ並のボケ効果や描写を誇る端末も登場してきており、「もうコンパクトデジタルカメラはいらないのでは?」と思ってしまうような写りを見せてくれるほど。今回紹介するグーグルの「Pixel 3」はその代表格とも言えるモデルだ。※
 OSにAndroidを採用したこの「Pixel 3」は、画面サイズ5.5インチの「Pixel 3」と、6.3インチの「Pixel 3 XL」の2モデルがラインナップされている。どちらもカメラ機能は同じ仕様で、背面カメラはF1.8の12.2メガピクセル、光学および電子式手ブレ補正機能搭載。自撮り用の前面カメラは8メガピクセルのF2.2の広角レンズとF1.8の標準レンズのデュアルカメラとなっている。これは大人数でのセルフィーを可能にした結果である。

※記事公開時(2019年8月18日)の最新モデルはPixel 3aとなりますのでご注意ください
そろそろ Pixel 4 のウワサもチラホラ聞こえてきており、今から新型が楽しみである

カメラ性能から見るGoogle Pixel


 さて気になる背面カメラの写りだが「素晴らしい!」のひと言である。ただシャッターを切るだけで、ほとんどのシーンにおいて色彩豊かでメリハリのある美しい写真の撮影が可能だ。
 そしてすごいのはシングルカメラなのに背景をぼかすことが可能なのである。一般的には2つのカメラを搭載して、それらの「視差」を利用して深度を測りボケを擬似的に作り出しているのだが、「Pixel 3」は1回のシャッター中に得られた高速かつ連写した写真を、「AI」によって計算し前景と背景に分離、次にデュアルピクセルによる位相差を使ってボケ味を決定し、最終的に写真として仕上げているのだ。そのため、近距離の撮影でも背景をぼかすことができるし、細い被写体が背景に溶け込んでしまうようなことがない。
 また撮影後に「フォト」アプリ上でピントの位置を変えることや、ボケの効果を変更することもできるのである。そして一番スゴいのが夜景モード(Night Sight)だ。これも「AI」によって1回のシャッターレリーズ中に得られた複数枚の写真を解析、計算。ノイズ低減やホワイトバランス調整などを施したのちに写真としてアウトプットしてくれるものなのだが、その仕上がりがとても美しく、スマホでかつ手持ちで撮ったとは思えないような写りなのだ。この機能のためだけに「Pixel 3」を手に入れたくなるような素晴らしいものになっている。「超解像ズーム」も同様な技術を用いており、デジタルズームしても画質劣化が最低限に抑えられるのだ。「Pixel 3」はこれからの「Computational Photography」を牽引する目が離せないスマートフォンに仕上がっていると感じた。

Google Pixelの製品外観


DSC_1179.JPG■ 「Pixel 3」(左)と「Pixel 3 XL」(右)。両モデルともカメラ機能は共通だ。違うのはボディサイズとなっている
DSC_1188.JPG ■「Pixel 3」(左)は画面サイズが5.5インチ。「Pixel 3 XL」(右)は6.3インチ。
DSC_1196.JPG ■背面にはシングルカメラと指紋認証センサーを備える。艶のある部分とマットな部分のコンビネーションが特徴的な外観だ
DSC_1200.JPG ■前面カメラは8メガピクセルのF2.2の広角レンズとF1.8の標準レンズのデュアルカメラ。セルフィー(自撮り)需要に配慮した仕様である

Google Pixelを使った撮影作例


菴應セ・IMG_20190325_133851.jpg■ 高層ビルを撮ったカット。見た目に近い印象に仕上がった。かつてのAndroid機はややオーバーな描写が多かったが、Pixel 3はこのようなシーンではヌケ感のある好ましい写りとなった
菴應セ・IMG_20190325_140821.jpg■ 近景から遠景までしっかりとした写りである。植樹の解像感、ビルの壁などスマートフォンの12.2メガピクセルとしてなかなかではないだろうか。カメラのレスポンスもよく、低めのシャッター音も好ましい
菴應セ・IMG_20190325_144720.jpg ■ウリの「超解像ズーム」を試す。画面をタップする、もしくはズームインジケーターを操作して倍率の変更が可能だ。これは最大にズームしたカットで、やや塗り絵的な印象だが、シングルレンズとAIの効果で今までのスマホとは明らかに違う写りだと感じる 菴應セ・IMG_20190325_144947.jpg ■Pixel 3はカメラのレスポンスがいい。起動時も撮影時もストレスを感じない動作スピードだ。また描写もよく、このようなメタリックで難しい被写体の質感も見事に捉えてくれた
菴應セ・00100lPORTRAIT_00100_BURST20190325141211151_COVER.jpg ■特徴のひとつがシングルレンズでありながら、AIを活用して背景をぼかせる「ポートレートモード」を搭載しているところだ。このモードを選択して像を撮影したが、ご覧のように見事に背景がボケてくれた。撮影したあとに「フォト」アプリ内でピントの位置とボケ具合を変更することもできる
菴應セ・00100lPORTRAIT_00100_BURST20190325162102774_COVER.jpg ■咲き始めた桜を撮った。一般的なデュアルカメラのスマートフォンの場合、このようなケースでは境界の表現が曖昧になって桜が溶けたような描写になることが多い。しかしPixel 3は確実に前景にある桜を認識して、背景のみをぼかしてくれた。これはスゴい!
菴應セ・IMG_20190321_194132.jpg ■Pixel 3最大の特徴が「夜景モード(Night Sight)」だろう。デジタルカメラでは三脚が必要なシーンでも、手持ちでぶれずに美しいカットが撮影できる。このモードを選んでシャッターを押すだけで、このように深夜のシーンもノイズも少なく、手ブレも少なく簡単に撮影できるのである。これは実際に試すとビックリすること間違いなしで、ほぼ真っ暗のシーンで肉眼では何も見えない状況で撮影できる。