【撮影テクニック】スポーツ撮影が更に上手くなる5つの準備|坂井田富三

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はじめに


 2020年のスポーツイベントまで残り1年を切ってきました。野球やサッカー、バスケットボールなどよく見るスポーツはもちろんですが、せっかくですからその他の競技の写真撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?今回は女子陸上ホッケーチーム 【ソニー HC BRAVIA Ladies】さまにご協力頂き、スポーツ撮影が更に上手くなる5つのコツをお伝え致します。

事前準備①ルールを覚える


 スポーツ写真を撮るにあたって事前に準備する事が幾つかあります。私は一番重要な事は撮影するスポーツのルールをしっかりと理解する事だと考えています。ルールを理解しない状態で撮影していると、スポーツ写真における重要な要素のひとつである「次に何が起きるかを予測して撮影」することが困難になり、撮影のポイントが後手にまわってよい写真を撮ることが難しくなります。

 スポーツのルールは、各スポーツの協会のホームページでルールが解説されています。今回撮影した女子陸上ホッケーに関してもコチラ<クリッカー設定>に記載がありますので是非チェックしてみてください。撮影に出かける前にしっかりとルールを勉強してから撮影に出かけましょう。

事前準備②動画などで試合の流れを確認


 最近では動画サイトなどで、いろいろなスポーツの動画を見ることが出来ます。事前に動画見ておくと試合の流れや撮影のポイントを事前に把握することができます。
 試合のタイムスケジュールを把握する事は、良い写真を撮るための重要なポイントです。試合時間の流れが分かっていれば、ハーフタイムの際に余裕をもってメディアやバッテリー交換、撮影したデータの確認や休憩時間に充てる事もできます。

事前準備③撮影可能かどうか確認


 撮影したいスポーツが見つかったら、次はそのスポーツが撮影可能かどうか確認します。競技によっては撮影禁止のスポーツ、競技場があります。水泳や体操などの大会などは撮影禁止のところがほとんどですので、必ず事前に確認しましょう。
 前述したルール同様、各スポーツ協会や試合の主催者のホームページなどで確認することができます。

事前準備④機材・メディアが重要


 機材の準備と言えばボディやレンズのことを指しがちですが、メディアも重要な機材の一つになります。スポーツの撮影では連写をして決定的な瞬間の撮影をする事が多いと思いますが、メディアの性能がカメラの連写できる性能を左右します。連写するので容量の大きいメディアを選ぶ事はもちろん、書き込み速度の早いメディアを用意しましょう。メモリーカードへの書込み速度が速いと、次々とシャッターが切れるので、途切れることなく連写撮影が可能に。決定的瞬間を逃しません。この機会に一度手元にあるメディアをチェックしてみてはどうでしょうか?

 メディア本体には、読み込み速度は記載されていますが、書き込み速度が記載されているものはあまりありません。メディア本体を見ただけではパッと見あまり分からな場合が多いのが実情です。メディア本体に記載されていない場合は、メーカーのホームページや販売店のホームページなどの補足説明の欄等で確認しましょう。高速書き込みが売りのメディアには、しっかりと書き込みスピードが表記されているのものもあります。

事前準備⑤機材セレクトと設定


 室内スポーツと屋外でのスポーツ、撮影できる場所によって準備するレンズは異なってきます。室内スポーツであれば70-200mmF2.8のズームレンズや単焦点レンズなど、望遠かつできるだけ明るいレンズが必須です。どうしても室内が故に少し暗い場所での撮影になる為、明るいレンズを使用して少しでも早いシャッター速度で撮影します。当然ISO感度の設定も高めに設定します。

 屋外のスポーツでは、明るさに困ることは少ないのですが、大きなフィールドで撮影する事になるので、100-400mmのズームレンズや150-600mmクラスのズームレンズがとても重宝されます。場合によっては焦点距離を伸ばすことができるテレコンバーターなども用意しておくとよいでしょう。
 カメラ本体に関して屋外の広いフィールドでの撮影の場合は、より望遠で撮影したい場合、APS-Cタイプのカメラが35mm判換算で焦点距離が1.5倍長くなるためおススメです。室内競技などの少し暗いところでの撮影に関しては、高感度ノイズが出にくいフルサイズ機にメリットがあります。

 スポーツ写真撮るうえでやはり重要視したい点は、連写性能でしょうか?一瞬のシーンを切り取るには、連写性能がモノをいいます。できるだけ秒間コマ数の多い連写性が高いものを使用した方が決定的なシーンを撮れる確率が上がります。
 カメラ側の設定は、AFは動く被写体のピントを追い続けてくれるコンティニュアンスAFモード、そして連写撮影モードが基本です。

ホッケー撮影実践編


 今回は女子ホッケーの試合を撮影してきたので作例を踏まえてポイントをお話します。野球やサッカー、バスケットボールなどの試合をみた事ある人は比較的多いと思いますが、ホッケーはなかなかの少数派ではないでしょうか?
 ホッケーの試合はとてもスピーディーで迫力のある展開で試合が進みます。選手の入れ替りが何回でも可能なので、試合後半になってもスピードが落ちないの魅力なスポーツです。
 また競技場によっても随分イメージが変わるのがホッケーです。サンドベースのコート※1やウォーターベース※2のコートでは、撮れるイメージもまったく異なってきます。

※1 ウォーターベース・・・人工芝に砂を充填せず、散水して使用するホッケーコート
※2 サンドベース・・・人工芝に砂を充填することで散水の必要をなくしたホッケーコート

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■SONY α9 + FE400mm F2.8 GM OSSx2X テレコンバーターSEL20TC
■焦点距離800mm/シャッター速度1/1600秒/絞りF6.3/ISO800


 今回はウォーターベースの競技場での撮影です。水が撒かれたコートでは、選手のダイナミックなプレーが可能になり、ボールのスピードも上がる為、迫力あるシーンとともに水飛沫を絡めた撮影をすることができ、躍動感をプラスすることができます。

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■SONY α9 + FE400mm F2.8 GM OSSx2X テレコンバーターSEL20TC
■焦点距離800mm/シャッター速度1/1600秒/絞りF7.1/ISO800


 ウォーターベースのコートならではの、スティックでボールを打つ瞬間、激しく競って跳ね上がる水滴。迫力あるシーンに水飛沫による躍動感をプラスできる、こういったシーンはしっかりと抑えておきたい撮影ポイントです。
 スポーツ写真と言えば高速でシャッターを切り、瞬間を捉える撮影をしますが、完全にすべてを止めて撮影してしまうと少し味気ない写真になってしまいます。そこで、肉眼では見えにくい水飛沫などをしっかり写し込む事によって、動きや激しさをダイナックに表現することができるんです。

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■SONY α9 + FE400mm F2.8 GM
■シャッター速度1/5000秒/絞りF2.8/ISO400


 この写真は、ボールを打った瞬間をいいタイミングで撮影できていますが、シャッタースピードが速すぎるのと、水飛沫も写っていないため、すべて止まってしまって動きを感じる事のできない写真になってしまっています。シャッタースピードを調整する事によって、選手の一部にブレを入れることが写真に動きを加えるテクニックの一つです。競技の種類や選手の動きによって変わってくるので設定はなかなか難しいと思いますが、ぜひチャレンジしてみてください

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■SONY α9 + FE400mm F2.8 GM OSSx2X テレコンバーターSEL20TC
■焦点距離800mm/シャッター速度1/2500秒/絞りF5.6/ISO800


 その他に抑えておきたいシーンは、やはり得点を決めたシーンではないでしょうか。しかし得点シーンは一瞬の出来事ですので、その瞬間を写真に残すのは非常に難しいですよね。そんな時には、得点をした直後の選手の笑顔を撮る事をおススメします。得点を決めた選手は、とっても良い表情をしています。絶好のシャッターチャンスです。

まとめ


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■SONY α7RⅢ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
■シャッター速度1/1000秒/絞りF5.6/ISO400/焦点距離200mm


 スポーツを撮影するには、そのスポーツをしっかりと理解するところがスタートです。最初はうまく撮れない事が多いかも知れませんが、選手と同様に撮る側も練習と経験を積み重ねる事によってレベルアップします。
来年の夏の祭典に向けていろいろなスポーツ写真を撮ってレベルアップを目指しましょう!

撮影協力・参考


◇撮影協力
・ソニーHC BRAVIA Ladies
【公式HP】http://www.sony-global-mo.co.jp/hockey/
【公式ブログ】https://sony-bravialadies.blog.so-net.ne.jp/

◇参考
・ホッケーのルールと競技規則
https://www.hockey.or.jp/rules/