【レビュー】シグマのこだわりが詰まった単焦点レンズ!|SIGMA 45mm F2.8 DG DN

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はじめに


 2019年7月11日、SIGMAからミラーレスカメラに専用設計されたレンズ3本と、新しいミラーレスカメラ「fp」の企画を明かした衝撃的な発表会から早いもので2か月が経ちました。(発表会の突撃レポートはこちら)
 どれほど衝撃的だったかというと、発表された後にSIGMA公式ホームページを見ようとしてもサーバーが落ちてしまったためか、なかなか接続できなかったほど。SIGMAの新製品に対する注目の高さを感じました。

 今回は発表されたうちの1本「SIGMA 45mm F2.8 DG DN Contemporary」をご紹介します。
 製品名に記載のある「DG」はフルサイズセンサー対応、その後についている「DN」はフランジバックが短いミラーレスカメラのために設計されたレンズであることを示しています。

 同時に発表されたレンズが開放F1.2のレンズ「35mm F1.2 DG DN」や、大口径の広角ズームレンズで“星景写真用レンズの決定版”と銘打たれた「14-24mm F2.8 DG DN」と少々パンチが効いていたため、もしかすると本レンズの印象が少し薄い方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 しかし本レンズも高性能で、スペックデータでは伝わりにくい上品さと使い勝手の良さを持つレンズです。
 その上品さは発表会でSIGMAの山木社長が本レンズをイギリスの名車に例えて “バンテン・プラ・プリンス”のように上品”と称賛したほどでした。
 今回はレンズ設計者が“絞りリングのクリック感までこだわった”というレンズをレビューしましたので、ぜひご覧ください。

軽量コンパクトなボディ


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(画像引用:SIGMA公式HP)


 SIGMAから現行で発売されている交換レンズはContemporary・Art・Sportsと3つのプロダクトラインがあり、それぞれのコンセプトに沿ってレンズが設計されています。

 本レンズは製品名にもある通り、「Contemporary」のコンセプトを持って設計されています。Contemporaryのコンセプトとは「最新のテクノロジーを投入、高い光学性能とコンパクトネスの両立で、幅広い撮影シーンに対応するハイパフォーマンス・ライン」というものです。(引用:SIGMA公式HP)
 
 さらに詳細を見ていくと
高度な光学性能とユーティリティを維持しながら、小型・軽量をも実現するというきわめて困難な課題解決のため、最新のテクノロジーを惜しみなく投入。高い性能、多目的性と、傾向性に優れたコンパクトネスは、トラベルやアウトドア、スナップ・ショット、ファミリー・フォトなど幅広い撮影シーンに対応できるレンズ・ラインです。

とあり、高性能と小型・軽量を兼ね添えるバランスの良いレンズ設計であることが分かります。

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 本レンズを手に取ったとき、最初に思ったことは「とても小さくて、非常に軽い」ことです。
 大きさは手のひらサイズで、本体重量は約215gなので缶コーヒーよりほんの少し重いくらいと非常に軽量な造りです。これだけ軽量・コンパクトであればミラーレスカメラにつけてもバランスよく、気軽に持ち運べる軽さです。

 1点気になったとすれば、小さいが故に最初のころはレンズを取り外す際に、絞りリングを握ってしまい少し取りにくく感じたことが何度かありました。しかし、使っているうちに自然と慣れて気にせずレンズ交換ができていたので、あくまでも最初だけ気になりました。
 小さいレンズだからこそ言える贅沢な悩みといえるでしょう。

絞りリングのクリック感までこだわった。上品な造り


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 本レンズはフルサイズミラーレスカメラ専用のレンズの中では、比較的お求めやすい価格帯かと思いますが、質感はまるで高級レンズのように上品な造りになっています。
 その上品な質感を演出しているポイントは、レンズボディ・レンズフードのメイン素材に金属(アルミニウム)を使用しているとのこと。

 絞りリングは回したときのクリック感までこだわっており、実際に触ってみると回している感触がしっかりあるものの、引っ掛かることなくスムーズに回る印象でした。
 しかしクリック感をオフにすることができないため、動画で使用すると音が入ってしまうため動画で使用される際は音が入らない工夫が必要かもしれません。
 
 レンズフードに注目すると、本体にも使用されている金属(アルミニウム)を使用されているため重厚感・高級感を感じます。フード内側には反射を防止するための溝が彫られていますが、外側にも絞りリング・ピントリングのような溝(ローレット加工)が施されており、上品な造りだと感じました。

開放F2.8が魅せる美しいボケ味


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■使用ボディ:α7II
■撮影環境:1/2000秒 F2.8 ISO160


 単焦点レンズの特徴と言えば「ズームができない代わりに開放F値が低く(明るく)、描写が良い」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
 本レンズの開放F値は2.8と、大三元ズームレンズと同じくらいで「ボケ味はどうなの?」と思った方も中にはいらっしゃることでしょう。

 しかし、本レンズはもちろん描写、特にボケの表現もこだわったとのことです。実際に使用していると被写体の前・後ろのボケは柔らかくザワつきを感じませんでした。
 絞り羽根は7枚で円形絞りを採用しているため、玉ボケも美しいです。

最短撮影距離はなんと24cm!


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■使用ボディ:α7III
■撮影環境:1/640秒 F2.8 ISO200

 さらに、最短撮影距離が短いことも本レンズの特徴です。
 焦点距離が45mmなので標準域と呼ばれるレンズですが、他の標準単焦点レンズでは最短撮影距離が30cm~45cmのところ、本レンズは24cmと非常に短いです。
 最短撮影距離が短いためスナップはもちろん、寄ることが多い花の撮影やテーブルフォトを撮られる方にとっては嬉しいですよね。寄れることでボケ量も多くできます。

撮影後記


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 撮影していて”軽いは正義”という言葉の意味を痛感いたしました。

 というのも、最近は高画素のセンサーを搭載したミラーレスカメラが続々と発売されています。描写性能が向上しレンズに求められる要求も上がった結果、レンズが大きくなっているように感じます。
 大きくて重くても、開放F1.4から得られる大きなボケが得られるレンズや遠くの被写体を大きく撮れる望遠レンズ、目の前の雄大な景色や星をダイナミックに撮れるレンズは魅力的で、もちろん私も大好きです。
 しかし、大きく・重いからと持ち出さなかった時に限って、シャッターチャンスを逃してしまった。なんてことありませんか?私は時々ありましたが、あれほど悔しいものはそうないと思います。

 本レンズは非常に軽量・コンパクトなうえに、大体の被写体が満足に撮影できますので常用レンズにピッタリ!
「カメラ持ってきていないから撮れなかった」ということも、きっと減らせられるレンズでしょう。

 マウントがソニーEマウントと、シグマ・ライカ・パナソニックの共同マウントであるLマウントの2種類のみの発売で、皆さんに使ってほしかっただけに非常に残念です。
 対応マウントユーザーの皆さん!ぜひ”上品な単焦点レンズ”味わってみませんか?