170年以上の歴史を持つ名門レンズメーカー「ZEISS」を訪問!|カールツァイスショールーム

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はじめに


 カールツァイスは1846年にドイツで設立され、170年以上の歴史を持つレンズメーカーです。多くのカメラ用レンズも製造しており、世界的に有名なのでカメラ好きな方であればご存知の方も多いと思います。
 そのカールツァイスグループで、日本に拠点を置くZEISSジャパンのショールーム(東京本社)が2019年7月に東京都千代田区の麹町に移転されました。

 一般的なショールームと異なり、企業等との商談でブランドや製品を紹介するスペースとして利用されていることから、残念なことに通常公開はされておりません。
 “通常公開されていない“と言われると、逆に行きたくなりますよね!?(笑)そこで今回は特別に取材させて頂くことになりました!

 カールツァイスの魅力が詰まった滅多に入ることができないショールームの潜入レポートです。ぜひご覧ください。

カールツァイスのルーツ


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 冒頭でもお伝えしましたが、カールツァイスは1846年にドイツで設立された170年以上の歴史を持つメーカーです。
 カメラ用のレンズではレンズ構成によって名前が付けられ、ゾナーやディスタゴン、テッサーやビオゴンなど多くのレンズが製造されており、その上質なレンズを愛するファンもたくさんいることでしょう。

 しかし、お話しを聞いている中で170年以上の長い歴史を振り返ってみると、あまり知られていないこともありました。

 カールツァイスの起源は意外なことに顕微鏡部門の製造から始まり、顕微鏡職人の工房として設立されました。
 “人類の役に立つ研究をしていこう”という理念から作られた顕微鏡は、病原菌の発見や血液の中が確認できるようになるなど、人類の進化に大きく貢献されています。

 もちろん今もその理念は大切にされており、カメラ用レンズでは人類の記録やエンターテインメントの分野で現在まで大きく貢献されています。


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 カールツァイス麹町ショールームは冒頭でもお伝えした通り、事務所としても利用されています。白を基調とした内観で、まるで研究室を思わせるような印象を抱きました。

カメラ用レンズ以外の分野も・・


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 カールツァイスはカメラ用レンズ以外の製造もしています。起源となった顕微鏡はもちろん、眼鏡の製造もおこなっています。
 眼鏡の製造においては、目の中心の位置やサイズ、その人にあったフレームの角度を計算できる、伝統あるレンズメーカーならではの特殊な機械がありました。


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 上を見上げると特徴的な模様が施された天井があります。なにか分かりますか?
 正解です!人間の目の網膜です。カメラ用レンズや顕微鏡、眼鏡など目に関わる製品を作る会社だからこその模様でした。


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この天井の下にはモニターがあり、目のメカニズムを知るための動画が流れていました。

アポロ計画とカールツァイスの関係


 “人類の役に立つ研究をしよう”という理念をご紹介しましたが、写真分野におけるカールツァイスの貢献で欠かせないのは、アポロ計画で月面の撮影で使用されたことでしょう。

 今からちょうど50年前の1969年にアポロ11号が月面に着陸したことは、ご存知の方も多いでしょう。
 下の写真はその時に撮影されたものです。宇宙飛行士が持っていたカメラが実はハッセルブラッドの宇宙用に改造されたカメラで、カールツァイスのビオゴン60mmF5.6のレンズをつけたものをということはご存知ですか?

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 しかも、この写真はツァイスレンズで撮影されたものです。「ツァイスレンズを持った宇宙飛行士をツァイスレンズで撮る」なんか良い感じですよね。


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 こちらの写真は月面に初めて降りた宇宙飛行士の足跡です。人類の記録にとって大きな一歩もしっかり撮影されていました。それにしても地球と異なり無重力で、急激な温度変化がある宇宙空間にも耐える設計ができるって凄いですよね。

もちろんカメラ用レンズもあります!


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 話がかなり大きなスケールになってしまいましたが、なじみ深いカメラ用レンズももちろんありました!

 カールツァイスのレンズラインナップはいくつか種類があります。
 一眼レフ向けには、クオリティに対して一切の妥協をしないOtusや、デジタルカメラに最適な設計をされているMilvus(ミルバス)などがあります。
 どちらも描写性能が高く、ピント面のシャープさ・ボケの美しさから憧れの存在という方も多いと思います。私も展示されていたOtus1.4/100のレンズを見て、「これでポートレートを撮ったら凄いんだろうな」と見とれていました(笑)

 ミラーレスカメラ向けに設計されているレンズもあります。ソニーEマウント向けでAF可能なBatisレンズや、同じくEマウント向けでMFレンズのLoxiaがあります。APS-Cセンサーのカメラには、EマウントとフジフイルムXマウント向けのレンズTouitがあり、多くのレンズが展示されていました。

 ミラーレスカメラは、便利な機能を搭載していることから人気があり、その便利さの恩恵は非常に大きいです。
 例えば、従来AFよりもピント合わせが難しいと感じる方も多いMFですが、ピント面を色でフチ取りすることで分かりやすくする“ピーキング機能”を使用すれば、LoxiaのようなMF専用レンズでも比較的楽に撮影ができます。

さいごに


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 ショールームで最後に案内されたのは、大きくプリントされたフィヨルドの景色を撮影した写真や、カールツァイスが公募している写真展の最優秀作品が展示された場所でした。

 もちろん撮影されたのはカールツァイスのレンズを使用したものです。カールツァイスのレンズは「空気まで写るレンズ」と呼ばれるほど描写力が高いですから、大きくプリントされた写真からは空気感が伝わり、データで見るよりもより一層美しく感じました。

 今後の写真文化への願いとして、お話しを聞いた際には「写真はデータで残すだけでなく、しっかりと仕上げて、ぜひ大きくプリントして飾って鑑賞してほしい」と仰っており、「プリントすることを大事にしていきたい」という思いはカールツァイスもキタムラも同じだと感じました。

 というのもフィルムカメラが多く普及されていたときは、現像しなければどのように写っているかが分からず、プリントしなければ撮った写真を飾ることや、渡すこと、残すことができませんでした。
 しかし、最近多く普及しているデジタルカメラでは、撮ったその場で本体モニターやパソコンなどの外部モニターで「どんなふうに写っているか」が確認できますし、記録メディアへのコピーやSNSの発達で渡すことが容易になりました。また、HDDやSSD、クラウドストレージなど外部の記録メディアで簡単に残すことができるようになりました。
 その結果として、プリントは結婚式や学校の行事のときだけという方も増えたと思います。

 ぜひお持ちの美しいデータをプリントやフォトブックにしてみてください。プリントしてみると、モニターで見るのとは一味違う“美しさ”があります。ぜひ味わってください!