富士フイルム X-Pro3 レビュー | 最新機能満載のオンリーワンのカメラ

富士フイルム_Xpro3で撮影したセドリックの画像.JPG

はじめに


 富士フイルムさんにX-Pro3の試用機をお借りして1か月ほど経ちますが、非常に面白いカメラに仕上がっていると感じています。ボディ外装にチタンを採用、あわせてフレームなどにはマグネシウム合金を組み合わせることで、高い堅牢性や剛性、機動性や耐久性などを追求しています。カラーはブラックに加え、擦り傷への耐性を高める「デュラテクト™※」加工を施したDRシルバーとDRブラックが用意されています。またボディは70箇所にシーリングが施されており、防塵・防滴仕様を実現。-10度の耐低温性能を備えるなど、過酷な撮影環境での使用も想定しているようです。
 今回はX-Pro3を主な使用シーンとして想定されるストリートで撮影を行ってきましたので、使いやすいポイントを中心にお話しして行きたいと思います。

ファインダーと背面液晶


アドバンスドハイブリットビューファインダー


 X-Pro3は基本的にファインダーを覗いて撮影するスタイルを追求していて、背面液晶を撮影時にフルに利用する現在発売されているミラーレスカメラとは逆行したスタンスをとっています。ファインダーは光学ファインダーと電子ビューファインダーをレバーで切り替えながら撮影を行うことができ、他にはないカメラの進化を遂げているシリーズと言えるかと思います。電子ビューファインダーには新たに有機ELを採用し、解像度は約369 万ドット。前機種のX-Pro2ではファインダーはTFT液晶を採用し解像度は約236万ドットだったので、撮影の雰囲気や色味が撮影後の物とは若干ですが違っていたようにも思えました。X-Pro3は有機ELを採用し、高解像度になっていることに加え、最高1,500カンデラの輝度や高いコントラストなどに対応しているので目で見たままの忠実な色再現性を実現していると感じます。ファインダーを覗いたとき明らかに感動があります。先日Xキャラバンというイベントでゲスト講師としてフォトウォークを担当させていただいたのですが、その時にはじめて触った参加者の方もファインダーの綺麗さには驚かれていました。
 また約200フレーム/秒相当の表示が可能な「残像感低減」モードにも対応。光学ファインダー上に小型EVFを同時表示できる「エレクトロニックレンジファインダー」機能がとても使いやすかったです。これは光学ファインダー内にEVFが小窓で表示される機能で光学ファインダーの見やすさそのままに、ボケ感や調整後の色味を小窓のEVFで確認できる優れものです。

背面液晶


背面液晶モニターは約162万ドットのチルト式タッチパネルで、なんと、ボディ背面の内側に格納 されています。普段は背面に 1.28 インチの液晶モニターが搭載されており、ここにはカメラ設定の数値やフィルムシミュレーションのモードが表示されるようになっているのですが、私はこの仕様をすごく気に入っています。最初は撮影画像を確認するモニターを常に見れないことに不便さを感じていましたが、徐々にファインダーだけを覗いて撮影するスタイルのほうが周りから見てもカッコいい雰囲気だったり、何より写真を撮っている実感が湧いてくるので凄くしっくりくるようになりました。またメモリ型液晶のため、電源がオフになっている場合でも表示が維持されます。こういった細かいところも嬉しいですよね。
 背面の1.28インチの液晶モニターにはファイルシュミレーションのモードがグラフィック表示され、フィルムカメラを持っていたときフィルムの箱を千切って背面に差し込んでいた事を昔懐かしく思い出しました。これらをデジタルで再現しているギミックにはテンション上がりました!
下のクラシックカーの写真ですが、53年前に発売された日産セドリックをなんとEV(電気自動車)化している世界に一台の車です。このオーナー様に許可をいただき撮影をさせていただいたのですが、この方や他のスタッフさんは後で聞いたところ、私が手に持つX-Pro3を見てクラシックカメラで撮影していると思ったらしく、こんなカメラで動画撮影?写真も撮れるの??と、すごく不安に感じていたようです。そんな皆さんに背面の小型モニターに映し出されるフィルムシュミレーションのギミックを見せたら、とても感動し、最新のデジタルカメラである事と共にカメラのコンセプトや遊び心に釘づけされていました!その後もすごい熱量でこのカメラの事を長い時間話していたのを思いだします。
 クラシックカーに合うフィルムシュミレーションはやはり・・「クラシック・ネガ」しかないでしょう!!笑
それにしても、下記の写真をみてヘッドライト部分のクロームメッキ階調や運転席側のドアの質感など素晴らしくないでしょうか。ぜひ、拡大してじっくり見て欲しいです。

富士フイルム_Xpro3で撮影したセドリックの画像.JPG
■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F1.2 1/4000 ISO160 フィルムシュミレーション クラシックネガ

優れた撮像素子と画像処理エンジン


 撮像素子は有効画素数約2,610万画素の裏面照射型CMOS「X-Trans CMOS 4」を搭載し、画像処理エンジンには「X-Processor 4」を搭載しています。いずれも同社「X-T3」「X-T30」に搭載されているものですが、さらにアルゴリズムを進化させることで、-6EVの低照度下でも位相差AFに対応しています。 APS-C機での-6EV対応は他メーカーでも見たことがありません。-6EVまで対応していると相当薄暗い、条件の悪い場所でもAFを使って素早く撮影ができます。下の写真のように明るい場所と暗い場所が交差する場面でもなかなかシャッターが切れないということは無く、撮りたい瞬間に素早く撮影することができました。

輝度差が大きいビルの画像.JPG
■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F1.2 1/4000 ISO320 フィルムシュミレーション クラシックネガ

新機能


 ハイダイナミックレンジ機能にも対応し、多重露出機能は最大9枚の重ね合わせに対応しています。同社の特徴とするフィルムシミュレーションには、クラシックネガモードを新搭載しています。さらにカラークローム・エフェクトでは、青空などブルー系の被写体に対して効果のあるカラークロームブルーを新搭載しており、一つ下の日中ビルを写した写真のように空の青を強調したい時に役立ちます。空の青ってなかなかスッキリした色味を出すことが難しいと思いますが、そんな時に少しだけ鮮やかにしたい場合に便利に使えます。
富士フイルムの特徴の1つでもあるモノクロ調整はモノクロームカラーとして刷新し、従来の暖色系・寒色系だけでなく、マゼンタ系・グリーン系を加えたカラーグラデーションから選ぶことができるようになりました。
粒状感 を再現する「グレイン・エフェクト」は強/弱だけではなく粒度も選べるようになっています。 この機能と多重露出を使えばJPGでいろんな表現が楽しめると思います。

空色のビル画の像.JPG
■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F13 1/125 ISO160 フィルムシュミレーション ベルビア + カラークロームブルー


スポーツカーが写るスナップショット.JPG
■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F9 1/125 ISO200 フィルムシュミレーション アクロス


人通りでのスナップショット.JPG
■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F6.4 1/500 ISO200 フィルムシュミレーション アクロス

動画性能


 Xキャラバンのトークショーでもお話していたのですが、皆さん「え?」X-Pro3で動画撮れるんですか??まさか!って色んな声がありましたが・・はっきりいって「撮れます!」何故ならX-Pro3にはXT-3の動画システムがそのまんま入っているので、「羊の皮をかぶったオオカミ」と例えても良いのではないでしょうか。動画インターフェイスも使いやすいものになっており、写真撮影とは全く切り離して使えるというところも利点です。X-T3は4K60fpsですが、X-Pro3は4K30fpsになっているので若干の機能違いはありますが、4Kって
そもそも使うシーンが限られており私も滅多に使うことはありません。ですので、FHDのフレームレートを基準に機材選びもしますが、X-Pro3にはハイフレームレート撮影(120fps)が使えるのも特徴の1つです。ちなみに、下の動画はFHD120fpsで撮影しており、編集時の自由度が非常に高いです。その他なかなか気づく方も少ないなのですが、動画時での顔認識機能+瞳AFも搭載しているのでDJIのRONIN-Sなどといった流行りの手持ちジンバルとの組み合わせできることも素晴らしいです。実際にRONIN-Sのフォーカストラッキングで瞳AFを使ってみたらバッチリ動作し使えました。X-Pro3にはなんとF-log撮影まで出来る機能が搭載しています。これだけ説明したら、上記で述べた「撮れます!」は若干でも伝わったのではないでしょうか。
手ブレ補正が入っていませんがハイスピード撮影120fpsで設定しスローモーションでの動画なら手ブレも気にならないと思います。下の動画は手持ち撮影+新フィルムシュミレーションクラシックネガで撮影したものです。


■使用機材:X-Pro3+XF56mmF1.2 R
■撮影環境:F2 1/60 フレームレート FHD120fpsPG

その他気になるポイント



 そのほかクイックメニュー「Qメニュー」ではアイコン表示数を4/6/12/16から選択可能。USB端子はType-C(USB3.1 Gen1)を採用し、USBからの充電にも対応しているのでモバイルバッテリーなどからでも給電可能です。ビックリしたのはボディーの材質やこれだけの機能追加があったにも関わらず質量は約447gと従来のX-Pro2とほぼ同じくらいの重量であることです。

あとがき



 富士フイルムX-Pro3は、レンジファインダーカメラなのに最新の機能が詰まったオンリーワンの特別な1台に仕上がっています。 ブラックはぶつけると傷が付き塗装が剥がれるなどエージングが可能でクラシックな佇まいを求めるユーザーにおススメします。デュラテクトの2モデルは、いつまでも新品のようにきれいでいて欲しいユーザーにおすすめです。カッターによるスクラッチテストにおいても、ほとんど傷がつかないようです(表面硬度はステンレスや水晶よりも硬いHv1300-1500としている)。カラーは思わず購入者が迷ってしまいそうな、どちらもとてもセンスが良いものになっています。撮影レスポンスはX-T3がそのまんま入っており、電子シャッターや4K30fpsの撮影が可能など、とにかく使える機能が盛りだくさんです。

※デュラテクトはCitizen Watch Co.、Ltdの商標または登録商標です。

富士フイルムX-Pro3のタッチ&トライイベントの記事と動画はこちらから!



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https://shasha.kitamura.jp/article/471124686.html

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