GoPro HERO8 Blackレビュー|旅先で楽しむアクションカム

GoPro_HERO8_Blacで撮影したパリの画像.JPG

はじめに


 手のひらサイズのアクションカメラGoProシリーズに新製品が登場しました。ボディーデザインが新設計となった「HERO8 Black」は、前機種の「HERO7 Black」から機能面ではどう進化を遂げたのか、本機にお勧めのアクセサリーやスポーツシーン以外での楽しい使い方を含めて、レビューをお送りします。

「HyperSmooth 2.0」は見ていて気持ちのいい手ブレ補正!



■使用機材:GoPro HERO8 Black
■撮影環境:解像度4K 60fps 広角 HyperSmoothオン AWB

パリ市内の観光地を回ってくれるルーフトップバスから撮影。このような観光地然とした場所では、静止画よりも、見ている人目線の動画のほうが面白い。


 もともと手ブレ補正では定評のあるGoProですが、本機には「HERO7 Black 」で話題になった高性能な手ブレ補正「HyperSmooth」からさらに進化した「HyperSmooth 2.0」が搭載されました。この機能によって、スタビライザーを使用したかのような、ブレが軽減されたスムーズな動画を撮ることができます。
 この、手ブレ補正機構が進化したことは、筆者が「HERO8 Black」の購入を決断したきっかけのひとつでもあります。このようなデジタル機能は、1年も経つとかなりの進化を遂げるのが通説でもあり、最新機種と前機種との性能比較は、大小あっても平均的に、もしくは何かが飛びぬけて良くなることが多く、そこを期待して、発売と同時のタイミングで本機の購入に踏み切りました。
 今回の撮影は、すべてフランスのパリで行いました。筆者はパリを訪れるのは2回目なのですが、1回目は観光らしいことをほとんどしていなかったので、今回は主要な観光地をぐるっと回ってくれる、2階建てのルーフトップバスに乗ってみました。
 そんな観光地で使って楽しいのが、このGoProのようなアクションカムです。スノーボードやサーフィンなどのスポーツシーンでの使用がメインと思われがちですが、小型で手ブレ補正機能搭載、アプリを使えば広角ゆえに自撮りも楽々できて、衝撃や雨にも強いなんて、旅行には理想的なカメラです。
 動画内の地面を見て頂ければわかると思いますが、この季節、パリの気候は不安定で、この日も朝は雨が降っていました。そんな雨が不安な状況でも、気軽に持ち出せるのが、防塵防滴カメラのメリットでもあります。
 そして肝心の「HyperSmooth 2.0」の手ブレ補正ですが、このような乗り物に乗っているときの不規則な揺れに、さらに強くなったように感じました。自分ではどうすることもできない縦揺れ、カーブを曲がるときの遠心力による横揺れに対して、前機種よりもカクカクしないスムーズな画が撮れています。
 この「HyperSmooth 2.0」は、「オン」、「オフ」、「高」、「ブースト」の4段階で効果を設定できますが、この動画を撮影した4K(60fps)の最高フレームレートで撮影する際は、「オン」と「オフ」のみが選択できるようになっていましたので、「オン」で撮影しました。このように動画の設定次第で「高」、「ブースト」への切替ができる場合とできない場合がありますので、撮影前に設定をよく確認することをオススメいたします。
 ちなみに「ブースト」は、使用すると強いブレ補正効果が得られますが、ブレの少ない中心付近の画像を切り取るように画像を作成するので、画角がひとまわり狭くなります。揺れている船の上などでの使用であれば効果的でしょうが、自分が走っている程度の揺れでは、「高」とそれほど大きな効果の違いは感じられませんので、広角の画角を活かしたい場合は「高」での使用をお勧めします。

マウント内蔵でアクセサリー装着が楽になった!


GoProで撮影している様子.jpg
■状況撮影:クキモト ノリコ

赤い物が三脚用のマウントアダプター。カラフルなものが欲しくて赤色にしてみました。JOBYのゴリラポッド三脚 は、女性のコンパクトなバッグにも形状を変えて収めることができるので、常に付けっ放しで使用しています。

 本機購入のきっかけになったもう一つの理由は、マウントが本体に内蔵されたことです。前機種の「HERO7 Black 」と比較して、決定的に違うのがこのアクセサリー装着のひと手間がなくなった点です。
 これまでは、一脚や三脚に装着する際には、専用フレームに入れなければならなかったのですが、本機は底部に隠れるように付いている「折り畳み式フィンガー」と呼ばれるツメを起こすだけで、アダプタにネジ止めして使用できるのです。
 通常は、この内蔵マウントに直接ネジ止めできる一脚や三脚を使用する方が多いと思いますが、筆者はカメラ用のミニ三脚を沢山所持しているので、それを活用したいと思い、三脚用のマウントアダプタを購入して、JOBYのゴリラポッドタイプの三脚に装着しました。
 手持ち撮影時には、三脚部分を真っ直ぐに伸ばしてグリップすることで、本体を直接持つよりも安定感が増します。自撮りのときは、本体からほんの少しでも自分との距離ができることで、腕が太く写りにくくなるメリットがあります。もちろん三脚なので、テーブルなどに立てて使うこともできますし、足が自在に曲がる形状なので、柱や腕に巻き付けて使うこともできます。バッグの形状に合わせて、持ち運びやすいように足を曲げることもできるので、旅行時に大活躍してくれる三脚です。
 余談ですが、航空会社によっては自撮り棒の機内持ち込みがNGのところもありますので、GoProに自撮り棒を付けっ放しにして持ち歩いている方は、お気を付けください。筆者は夏にバリ島に行った際、チェックインカウンターで自撮り棒の機内持ち込みNGを聞かされて、慌てて預けのスーツケースにしまったことがあります。
 また、この記事の執筆時には未発売でしたが、発売予定のモジュール・アクセサリーも気になるところです。本機はライブ配信ができるので、マイクやHDMI出力ポートを備えた「メディアモジュラー」、自撮りのときに活躍する「ディスプレイモジュラー」を使用した、Facebook LiveやYouTubeなどの配信も面白そうです。
 現状でも、スマホと連携して、スマホの液晶画面で画角を確認しながらのライブ配信はできるのですが、自撮りの場合はどうしても目線が手元のスマホに行ってしまうので、カメラ側にディスプレイを装着できるメリットは、とても大きいと思います。
 アクションカムではあまり気にされないかも知れない音声ですが、筆者はライブ配信も踏まえていたので、色んな機種を検討するときの材料のひとつでした。そのなかでも、GoProは飛びぬけて良い音声で録画ができていました。基本的にクリアーな音声なのですが、風の強いシーンではどうしても風の音を拾ってしまうので、風防付きの外付けマイクを使用したいところです。メディアモジュラーの発売が楽しみです!
 同時期に発売予定なのは「ライトモジュラー」です。こちらはパワフルなLEDライトで、マウントとしてはもちろん、単体での使用も可能とのことです。

バッテリーの不安はモバイルバッテリーがあれば問題なし!



■使用機材:GoPro HERO8 Black
■撮影環境:解像度4K 60fps 広角 HyperSmoothオン AWB

エッフェル塔を見ながら買い物ができる「Marche Saxe-Breteuil(マルシェ・サクス・ブルテイユ)」。朝早い時間に行ったので、まだお店の準備をしている様子などを見ることができました。

 今回の動画はすべて4Kの60fpsで撮影しました。これは、今この最大サイズで見るかということよりも、いつか見直すときのためという理由があります。現状、4Kサイズの動画を快適に閲覧できるモニターやPCスペックの環境が、すべての家庭に揃っているとは言えませんが、数年後には価格も落ち着き、今とは比べ物にならないほど普及しているだろうと思えます。そのときにあらためて楽しむために、状況が許すのであれば、このような動画は最大サイズ、最大フレームレートで撮影しても楽しいでしょう。
 その状況のひとつに、バッテリーの保ちの問題があります。大きなサイズで撮りたくても、バッテリーが途中でなくなってしまっては困りますよね。正直なところ、今回も1日中ちょこちょこと動画を撮り歩いていると、夕方前にはバッテリーが不安な残量になりました。ですが、iPhoneの充電用に持ち歩いているモバイルバッテリーが、ここで役に立ちました。移動中に、同梱されているUSB-Cケーブルを使用して、モバイルバッテリーから充電をすれば、電源がないところを一日歩いていても、不足なく撮影ができます。
 バッテリー容量を増やすためにボディサイズが大きくなるくらいであれば、持ち運びの利便性と、取り回しの良さを考えて、足りなければUSB-Cケーブルで途中充電、もしくは予備のバッテリーを持ち歩くほうが、総合的に見るといいように感じました。
 動画撮影時の画角は、GoProならではのダイナミックさを活かすためにも広角がお勧めです。広角の画角だと、自分の視野よりも実際の物は遠く写るように感じるので、歩きながらの自分目線の動画撮影は、気になるものを見つけたら、ぐぐっと近付いてみると楽しい映像になります。
 このように寄りと引きの両方を撮影してみると、本機の映像の綺麗さを改めて感じることができます。画面の四隅まで遜色なく鮮やかな色味を再現していて、映像の乱れもない。旅先で見たそのままの彩りを記録してくれるのは、なんとも頼もしい限りです。

「TimeWarp 2.0」で気軽におもしろ映像を撮ろう!



■使用機材:GoPro HERO8 Black
■撮影環境:解像度1080 広角 速度:自動 画質:高

歩いているだけでも楽しい「ヴァンヴの蚤の市」。パリは市内も賑やかで楽しいですが、マルシェや蚤の市のような、生活感やアンティークな雰囲気を感じられるところにも足を延ばすと、さらに楽しい体験ができますね。

 「GoPro HERO7」から搭載された「TimeWarp」も、本機では「TimeWarp 2.0」にバージョンアップしました。このタイムワープとは、移動しながら撮るタイムラプスのような機能です。通常はカメラを固定して撮影するタイムラプスですが、強力な手ブレ補正機能搭載の本機だからこそできるこのタイムワープは、カメラを持った自分が動きながら撮影することで、アンリアルな面白い映像を撮ることができます。
 本機のバージョンアップでは、このタイムワープの速度の「自動」が選択できるようになりました。前機種までは、2~30倍の速度を自分で設定しなくてはならなかったので、どれくらいの速度がちょうどいいのか、迷われる方も多かったと思います。本機では「自動」を選べば、カメラが撮影シーンに合わせて速度を自動で決めて撮影してくれるので、動画に慣れていない方でも気軽に撮影ができます。
 そこで慣れてきたら、自分で速度を決めたり、撮影中に等倍速に切り替えてみたりと遊ぶこともできるので、この自動モードの搭載は、初めてGoProを持つユーザーにも優しい設定になったと言えるでしょう。
 タイムワープの撮影のポイントとしては、あまりせわしなくカメラを動かしてしまうと、倍速ゆえに酔ってしまうような映像になるので、ゆっくり目に移動、パンすると、見やすい映像になります。あまり上下動がないほうが見やすくはなりますが、「歩き目線」をテーマとすると、多少歩いている上下感が出たほうが、その場の空気を感じられる楽しい映像になります。

GoPro初心者にも優しい「HERO8 Black」


 今回登場した「HERO8 Black」は、今までのGoProユーザーだけではなく、初めてGoProに触れる人にも優しい機能変更が多いように感じました。
 前機種は、撮影前に解像度やフレームノートを自分で組み合わせて設定しないといけませんでしたが、本機では撮影モード変更時にお勧めのプリセットが表示されるので、そのまますぐに撮影ができます。アクションカム初心者が躓くのが、小さな画面を見ながらの設定だったりもするので、ツータッチで撮影に臨めるお勧めプリセットは、地味ながら実は大変便利な機能だと感じました。
 動画も静止画も、歩き目線も自撮りも楽しめる、手のひらサイズの小型カメラの「HERO8 Black」は、派手なアクションをしない、日常的な旅行でも楽しめるアイテムでした。