キヤノンEOS 90D レビュー | ケニアサバンナの野生動物を撮る!

キヤノン_EOS90Dを使ってケニアサバンナで像を撮影した画像.jpg

はじめに


 アフリカの大草原サバンナで野生動物を撮影するのにメインのEOS-1D X MarkIIのサブ機として連れて行きました。今までのスーパーサブ機EOS 7D MarkIIの代わりになるか?というところが注目です。
 EOS80Dの後継機として登場しましたESO90Dはスペック上ではかなりの進化が見られます。連写スピードが約10コマ/秒になり、速い動きを狙う動物撮影では絶対条件である機動力が期待できます。映像エンジンDIGIC8の搭載により3250万画素という高画素数にも関わらず、ライブビュー時には最高11コマ/秒の高速連写を実現、書き込みスピードが格段にパワーアップ。さらに、APS-Cサイズカメラでありながら常用ISO感度が25600と、フルサイズにせまる高感度性能をうたっているEOS90Dはどれだけの逸材なのか、取材に行く前から試すのが楽しみで仕方ありませんでした。

高速連写で瞬間を逃さずに捉える


水を飲むライオンの画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO500(オート) F6.3 1/1250 焦点距離


 ネコ科の動物が水を飲む場面の撮影では、舌を狙うことがよくあります。舌が見えている時間はほんの一瞬でなかなか一発必撮では外れてしまいます。秒間のコマ数が少ないと連写しても1枚も当たらないこともありますが、10コマ/秒であれば容易に当たりを得ることができます。

親子のライオンの画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO200(オート) F5.6 1/1000 焦点距離400mm


 また、動物は予想外の動きをすることも多いので、連写スピードが速い方がその瞬間を逃さずに残せます。特に子どもライオンのじゃれあいは、かなりすばしっこく瞬間を狙って撮るのが難しい場面です。じゃれるなと思ったらその瞬間を連写してベストショットを後で選ぶ作戦をとります。

100%視野率で厳密なフレーミングができる


夕景の画像.JPG
■使用機材:EOS 90D + EF24-105mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/50 焦点距離24mm


 速い動きの被写体は、ある程度フレーミングの調整をしますが、動きのない場面ではなるべくそのまま使いたいので、視野率が100%のファインダーは重宝します。サバンナの撮影では、必ずしも動物がいるわけではなく、風景を狙うこともあります。風景の撮影では、ほんのすこし空間の入れ方が変わるだけでバランスが変わってしまいます。ファインダーでここからここまでと切り取ったつもりが、ひとまわり広く写るのは困ります。

空を飛ぶ鳥の画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO100(オート) F5.6 1/12500 焦点距離400mm


 EOS90Dに搭載されているインテリジェントビューファインダーはファインダーに透過型液晶を採用し、光学ファインダーで被写体を捉えながら撮影情報や電子水準器などの表示を確認して撮影することができます。また、上位機種には搭載されていたジョイスティック式のマルチコントローラーがEOS90Dにも搭載されたことでファインダーをのぞいたまま、フォーカスフレームの移動がしやすくピント合わせがスムーズにできます。なるべくファインダーをのぞいたまま撮影できるのが動物撮影では一瞬のシャターチャンスを逃さないための重要な条件になります。

動物写真で重要な高感度の性能がアップ


カバの画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO12800(オート) F6.3 1/500 焦点距離400mm


 日が登る前の薄暗い時間帯や日没後の薄暮時に動物は活発に活動します。その時間は、フィルムの時代は撮影することをあきらめていたのですが、高感度の性能が進化してきたおかげで撮影の幅が広がりました。高感度での撮影はノイズが出て画質が落ちてしまうのですが、また一歩進化を感じました。35mmに比べるとAPSCサイズのカメラはセンサーの面積が小さい為、高感度優位性がなく、そこが弱点のように思っていましたが、常用感度が25600となり、半信半疑ではありましたが、ISO感度オートでリミッター無しで撮影をしていました。曇天で日没間際の薄暗い中でカバを撮影するとISO感度が12800になっていました。特にこのような中間トーンで色味が少ない場面ではノイズが目立ってしまうのですが、このクオリティなら満足と言えます。この部分に関しては、もしかしたらEOS 7D MarkIIを超えたのではないでしょうか。

チーターの画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO5000(オート) F5.6 1/200 焦点距離263mm

バリアングルモニターは構図の幅を広げてくる


遠くにいるチーターの画像.jpg
■使用機材:EOS 90D + EF24-105mm F4L IS II USM
■撮影環境:ISO250(オート) F4.5 1/1600 焦点距離56mm


 サバンナでの撮影は基本的にサファリカーという車内からの撮影で、降りて撮影することはほとんどありません。車を降りることは安全面からも禁止されているからです。なので、車の窓よりももっと低い位置にカメラを構えたいのに、というジレンマをよく感じます。

 アリ塚の上に座っているチーターが少しでも空に抜けるようにしたかったのですが、サファリカーの窓の高さからでは、背景の山よりも低くしか狙えませんでした。そこで、バリアングルモニターに気がつき、腕の長さ分カメラを低く構えられると思い、窓から手を地面方向に伸ばしモニターを上からのぞいてみました。すると、ようやくチーターの体部分が空に抜けました。モニター上のチーターにタッチすると瞬時にピントを合わせてくれます。

動物の赤ちゃんの画像.JPG
■使用機材:EOS 90D + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
■撮影環境:ISO2000(オート) F5 1/500 焦点距離200mm


 また、動いている被写体でも一度タッチするとその被写体をロックオンして、画面内で被写体が移動してもフォーカスし続けてくれます。EOS90Dはライブビュー撮影の機能やフォーカス精度が向上し、これがなかなかの魅力です。ファインダーを覗ける状態でも、ライブビューに切り替えて、ミラーレスカメラ的な撮影をするという新しい撮影スタイルに手応えを感じました。

検証の結果EOS90Dはサブ機として


 サバンナの野生動物取材時にEOS90Dがサブ機として使えるかということを検証してみましたが、サブ機としては十分満足な性能が搭載されていました。
 一つ惜しかったのはシングルスロットルというところで、SDのダブルで2枚入ればと思いました。でも、この二桁シリーズでは軽量コンパクトを重視しているでしょうからシングルでも仕方ないかと諦めて、最近では安くなってきたので大容量のカードを入れておけばそれほど問題はないかと思います。それよりも、この性能を持ってこの軽さというのは、海外取材の飛行機の荷物制限が厳しい中ではとてもありがたい進化と考えるべきですね。