富士フイルム X-T4 レビュー|ボディ内手ブレ補正など新機能満載!

ShaSha編集部

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富士フイルムより「X-T4」が発表されました!

 本日2020年2月26日、富士フイルムより新製品の発表がありました。「小型・軽量で、プロユースに使えるミラーレスデジタルカメラ」をコンセプトとして発売されているXシリーズの最新モデルX-T4です。
 2020年2月5日にロンドンで行われたイベント「X Summit LONDON 2020」において開発発表した本機種に関して、予告通り2020年2月26日14:00に製品詳細の発表となりました。

 2020年2月27日より開催予定だったCP+が残念ながら中止となり、発表後に触れる機会がないかと思われましたが、2020年2月26日の14時より、FUJIFILM Imaging Plaza東京・FUJIFILM Imaging Plaza大阪でX-T4のデモ機先行展示を実施しているということで、早速触ってきました。

 前機種X-T3を愛用している筆者が、メーカー担当者の方に聞かないと分からないであろう、新機能の詳細を確認してきました。

X-T4外観の画像

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■左:シルバー 右:ブラック

 外観に関する第一印象として、良くも悪くも前機種のX-T3と大きく変わらず、細かい変更が見受けられました。様々な角度で撮影を試み、変化点をまとめましたので解説していきます。まずカラーリングですが、以前の機種を踏襲したシンプルなデザインの「ブラック」と「シルバー」のカラーバリエーションです。

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 正面に関しては前述の通り、大きな変化はなく前機種から受け継がれるフォルムを踏襲している印象です。

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 マウント合成部がやや厚くなりましたが、あくまでデザインの一環とのことで、使用上変わりはございません。

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 手に取った際、やや重みのある重量感を感じました。スペック表を見ると、X-T4は約526g(バッテリー、 SDメモリーカード含まず)、X-T3は約489g(バッテリー、 SDメモリーカード含まず)とやや重くなっています。X-T3ユーザーの筆者としては、やや重みがあるX-T4ですが、グリップがしっかりしているため持ちやすく、好印象を受けました。

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■左X-T3 右:X-T4

 背面ボタンの振り分けは細かなアップデートがありました。撮影中に各種設定変更を実施するQボタンがサムレスト付近に、また、AELボタンにカスタム設定することが多かったAF-ONは、他社で一般的に採用されているAF-ONボタンとして採用しています。

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 分かりにくいかもしれませんが、MOVIEとSTILL切り替えレバ―が搭載されました。今までは測光モードの変更ダイヤルでしたが、動画ユーザーの要望として動画と静止画のモード変更が分かりにくく、今回ダイヤル採用に至ったそうです。
いずれにしても、右手付近にボタンが集まってくれることで、操作がしやすくなった印象を受けます。

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 軍艦部を見てみると細かい違いが見受けられます。X-T3の軍幹部ダイヤル上の配置順から変更があった点として、Movie/BKT/CH/CL/S/Multi exposure/ADV./Panoramaの順からPanorama/ADV./BKT/CH/CL/S/HDRに変更され、前述の通り動画モードが切り出されたような形です。

 また、パノラマやADV.などの一般ユーザーにおける使用頻度の低いモードを左端に移動し、新たにHDRモードを右端に搭載しています。

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 SDカードスロットにも細かい変化が。今まではスロット1とスロット2が横並びとなっていましたが、今回から縦並びに。X-T3ユーザーの筆者の悩みでもあった1と2が分からなくなるといった事象がなくなりそうですね。

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 SDスロットカバーに関して、「動画撮影時にリグを組み、内部記録で撮影を行う際に、SDカードの入れ替えがしづらかった(リグから外さなければならなかった)」という声を受け、取り外しが可能に。別売りでカバーキット CVR-XT4の販売も実施するとのことです。

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 左側には端子類が集約されており、ø3.5mmステレオミニジャック(マイク用)の搭載により、よりプロユースによる動画撮影への配慮を施しています。

新機能満載!注目の機能紹介

 外観には大きな変化が見受けられなかったX-T4ですが、中身に関しては様々なアップデートがありました。Xシリーズならではの小型・軽量性を維持しつつ、新搭載の機能が盛り沢山です。全てお伝えしたい気持ちは山々ですが、その中でも筆者が注目した新機能や定番機能の一部に着目してお伝えしていきます。

ボディ内手ブレ補正

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 富士フイルムのミラーレスカメラではX-H1に次いで二台目となるボディ内手ブレ補正を搭載。対象レンズとの組み合わせで最大5軸6.5段の手ブレ補正を実現しています。

 富士フイルムのご担当者にお伺いしたところ、現在発売している29本のXマウントレンズの内、18本のレンズで5軸6.5段の手ブレ補正に対応しており、まだ公表はされておりませんがズームレンズから単焦点レンズまで幅広いラインナップが用意されているとのことでした。

 ジャイロセンサーの検出精度は、Xシリーズとして初めてボディ内に手ブレ補正機構を搭載したX-H1と比較し、約8倍の精度向上を謳われています。

 また、X-H1までは補正は5軸(ピッチ/ヨーの角度ブレ、X/Yのシフトブレ、回転)最大5.5段に対応していたところを最大6.5段にアップしたことで、今まで以上に高感度での撮影や手持ち撮影の心強い味方になります。

バッテリーの大容量化

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 今までの機種の大半はNP-W126やNP-W126Sのバッテリーを採用していました。今回、新たにNP-W235という大容量バッテリーを採用し、X-T3ユーザーである筆者をはじめとした富士フイルムユーザーとしては、バッテリーの持ちが良くなったと聞いて喜びを隠せないと思います。

 今回新搭載したエコノミーという消費電力を少なくしたシャッターモードで撮影した場合、約600枚(ボディのみ)、約1,700枚(縦位置バッテリーグリップ使用)となります。
 ノーマルモードでも約500枚(ボディのみ)、約1,450枚(縦位置バッテリーグリップ使用)となり、X-T3で約390枚(ボディのみ)、約1,100枚(グリップ使用)だったショット数と比較すると、差は歴然です。

バリアングルLCD

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 X-T4には約162万ドットバリアングル液晶モニターが採用されました。言わずもがな、他機種の2軸チルト・3軸チルトのモニターよりも、写真を撮る角度や高さを変えた際に、モニターで確認しながら撮影しやすくなりました。

新フイルムシミュレーション「ETERNAブリーチバイパス」

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 本機種より新搭載のフイルムシミュレーション「ETERNAブリーチバイパス」は、「銀残し」と言われる現像手法を再現し、独特の発色と低彩度・高コントラストな絵作りができることが特徴です。

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 また、X-Pro3で衝撃のデビューを果たしたクラシックネガに関しても搭載済み。新機種が発売されるごとに増えていくフイルムシミュレーションにより、JPEG撮って出しの楽しさも再認識しますよね。

AWB新設定「ホワイト優先/雰囲気優先」

X-T4より、AWBに“ホワイト優先” と“雰囲気優先” の2種が新たに追加されました。

・タングステン光下で、白の再現を優先して行う「ホワイト優先」
・タングステン光の温かい雰囲気を優先して再現する「雰囲気優先」

これらが追加されたことによって、ホワイト優先と雰囲気優先をシーンに応じ、混ぜ合わせるモードを「AUTO」とし、撮影の被写体によって、より撮影者の意図を汲み取ることができるAWBとなりました。ライティングや撮影環境によって、試してみたくなる新機能となっています。

フォーカルプレーンシャッター向上

 今回搭載のフォーカルプレーンシャッターは、世界最速15fps※1 のポストビュー連写を実現。また、最速8fpsのライブビュー連写が可能で、ブラックアウト時間はX-T3が96msecに対してX-T4が75msecと短縮されています。

 耐久性は約2倍に向上し、シャッター耐久約150,000回だったX-T3に対してX-T4は約300,000回※2 を謳っています。
シャッター音が他機種よりも約30%静音化し、レリーズ時の感触もより良好に仕上がっています。触った正直な感想を述べると、X-T3と比較した際、シャッター音が静かすぎるが故に、シャッターが切れているかが指先の感覚で少しわかりにくい印象を受けました。

※1 2020年2月26日時点。APS-Cサイズ以上のセンサーを搭載したミラーレスデジタルカメラとして。富士フイルム調べ。
※2 富士フイルム試験基準による。

AFアルゴリズムの向上

 AFアルゴリズムの進化により、離れていく被写体へのフォーカス精度も向上。担当者の話によると、動いている人の姿勢や角度を判別し、精度の向上に寄与しているとのことでした。もちろん顔/瞳検出機能も実装されていますので、より一層人物の撮影力が向上しているようです。

専用縦位置バッテリーグリップ「VG-XT4」

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 縦位置バッテリーグリップ「VG-XT4」(「X-T4」専用)は防塵・防滴・耐低温-10℃に対応し、NP-W235を2個装填することが出来ます。バッテリーの挿入方向が少し変わっています。

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 操作しやすい位置に各種ボタンを配置しており、横位置撮影時と変わらず快適に撮影できます。

デュアルバッテリーチャージャー「BC-W235」

 デュアルバッテリーチャージャー「BC-W235」はNP-W235を2個同時に充電でき、旅先での充電作業を軽減してくれます。

その他のアップデート

 MENU/OKボタンの⾧押しでキーロックが使用できる機能が復活したことや、ストラップクリップ三角環にプラスティック製のクリップを付与していることなど、ユーザーの意見を取り入れて細やかなアップデートが実施されています。

X-T3やX-H1など他製品との比較

 今回ご紹介した新機能やスペックに関しては、キタムラネットショップに詳しい比較表を順次ご用意します。こちらも併せてご覧ください!
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最後に

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今回、新機能が目白押しの本製品を簡単にまとめると…

・ボディ内手ブレ補正で暗所や動体も安心の撮影!
 ・バッテリーの大容量化で長時間撮影可能!
・バリアングルモニターで様々な位置から撮影可能!
 ・新フイルムシミュレーション「ETERNAブリーチバイパス」で新たな楽しみ!
 ・AWB新設定「ホワイト優先/雰囲気優先」で好みに合ったWBを!
 ・フォーカルプレーンシャッター向上で、一瞬を逃さない!
 ・AFアルゴリズムの向上で精度の向上!
 ・専用縦位置バッテリーグリップ「VG-XT4」は機能盛り沢山!
・デュアルバッテリーチャージャー「BC-W235」が使用可能!

となり、富士フイルムの持ち合わせた技術が詰め込まれた一台となっていることは言うまでもありません。

 X-T3ユーザーである筆者としても、かゆいところに所に手が届くような機能搭載に対して、物欲が湧いてきました…

 今回は限られた範囲での撮影だったため、実際の機能を試すことはできませんでしたが、今後実機をお借りすることができましたら、読者の皆さまにもX-T4の良さをお伝えられるようにレビューします。ご期待ください。

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