我が家のアイドルを素敵に撮るコツ!|猫編

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はじめに


 本連載では我が家のアイドルを素敵に撮るコツと題して、飼われているペットを自宅で可愛く、素敵に撮影する方法を、私坂井田富三が伝授いたします。今回の被写体は猫。部屋の中で猫を撮るのに困っている方、けっこう多いと思います。どうしても部屋の中は少し暗いし、猫は動き回るし・・・ 。撮ってみたものの、ブレやピンボケ写真になってしまうことがあるのではないでしょうか。そんなお困りの方におすすめアイテムが、50mm前後(35mm換算)の単焦点レンズと動物瞳AF機能を搭載したミラーレス一眼です。

室内撮影におすすめ単焦点レンズ


 50mm前後の単焦点レンズ、使った事ありますか? 最近カメラのボディーとセットで販売されているレンズは、ほぼ100%ズームレンズ。単焦点のセットってなかなかありませんよね。昔(フイルム一眼レフの頃)は、50mmレンズが標準レンズとセットで販売されていました。そういうこともあり、50mmの単焦点レンズは明るくて、比較的お手頃に買えるものが昔から続いています。各社50mmのレンズでF値が1.4のレンズは、少し大きくて値段も少し高くなりますが、F値が1.8のものは、レンズも小さくお値段もお手頃の価格で販売されています。ズームレンズでは、味わえないF値1.8の世界がお手頃の価格で味わうことができ、特に室内での猫撮影には、35mmか50mmのどちらかの単焦点レンズがおすすめです。できれば最短撮影距離が短いレンズを選択すると寄って撮影できるので便利ですね。逆に最短撮影距離が長いと室内撮影では苦労する場合が多いので、購入の際には最短撮影距離をよく確認してみてください。

 筆者は室内猫撮影の場合、50mmと35mmの単焦点レンズを使います。その中でも最近はソニーFE35mmF1.8(SEL35F18F)がお気に入りでよく使っています。その理由はソニーFE35mmF1.8(SEL35F18F)の単焦点レンズは、最短撮影距離が圧倒的に短い22cmで被写体にグッと寄って撮影できるメリットがあるからです。やや広角側の35mmですが、絞り開放にすれば大きく背景をボカせるのも大きな魅力です。特に正面からグッと寄って撮影することで、顔がデフォルメされた状態で写るので、可愛らしく撮影する事ができます。

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■使用機材:SONY α7R III + FE35mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離35mm

 50mmの単焦点レンズを使用する場合は、あまり部屋の中の背景を見せたくないときに使用しています。焦点距離35mmのレンズの画角は63°、焦点距離50mmのレンズの画角は47°。この画角の違いが被写体の背景に影響してくるので、室内撮影で余分なモノを背景に写し込みたくない時に焦点距離50mmのレンズの画角がとても助かります。明るいレンズなので、絞りを浅くして撮影する事によって背景を大きくボカして、部屋の中の背景を柔らかく表現することができるメリットもあります。

 SNSなどに投稿する際も、あまり生活感が写り込んだ写真を投稿したくはないので、少し画角を狭くして、背景に余分なものが写らないようにし、さらに絞りを浅くして背景をボカす考慮をしています。まぁお部屋をキレイに片付ければいいのですが(笑)

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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/320秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離50mm 

 実際にどのくらいの画角の差か比べてみました。猫との距離は約140cmのポジションから撮影しています。

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焦点距離35mm

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焦点距離50mm

 焦点距離35mmで撮影すると、両サイドのネコグッズが写り込んでいますが、焦点距離50mmではほぼ写らないように撮影ができます。ただ大型の猫とか、少し引いて撮影したい場合や撮影するお部屋が少し狭い場合などは、焦点距離35mmのレンズの方が撮影しやすいですね。

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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/800秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離50mm

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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/640秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離50mm

 50mm/35mmF1.8の単焦点レンズを使う理由は、価格が比較的低価格な事。そしてキットレンズのズームレンズでは味えないボケの表現ができるのが最大の魅力です。そしてF値が明るいという事は、例えばキットズームレンズのF値3.5から始まるものより、F1.8で始まる単焦点レンズであれば、絞りを開放で撮影すれば約2段速いシャッター速度を使うことができます。つまり少し暗い室内でもシャッター速度をあげる事ができ、ブレを軽減できるメリットもあります。

動物瞳AF機能の実力


 ペットを撮影する際に、機能として一番メリットを感じる機能が動物瞳AFです。ソニーではαシリーズのα9II、α9、α7RIV、α7RIII、α7III、α6600、α6400とコンパクトデジカメのRX100MVIIにリアルタイム瞳AF(動物)※が搭載されています。
※2020年2月現在

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 実際にソニーα6400で、どのように動物瞳AFが動くかファインダー情報を動画に出力してみました。この瞳AFは、人物と動物との切り替えになっていて、人物のままでは動物の瞳には反応しませんし、動物瞳AFのモードになっていると人物の瞳には反応しませんので、撮影前にしっかりと設定を確認する必要があります。



 この動物瞳AF機能を使うことによって、室内でのペット撮影が格段に楽になります。通常のオートフォーカスだと一般的に測距エリア内の一番近いところにピントを合わそうとし、猫や犬などの場合などは鼻の頭にピントがいく場合がほとんどです。この動物瞳AFの場合は、しっかりと瞳にピントを合わせてくれる事ができるので、動く被写体でも安心して撮影ができます。 もちろんすべての動物にこの瞳AFが対応できる訳では無く、苦手な被写体もあります。特に黒い毛のワンちゃんなどは、瞳を検出しにくくAFが迷う場合が多く見受けられます。猫の場合は、黒目の周りにグリーンやオレンジ、ブルーなどの部分がある為、瞳を検出しやすくなっていると思われます。特に猫を飼っている方には、動物瞳AF機能搭載のカメラはとてもおすすめのカメラです。

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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF1.8 ISO1600 焦点距離50mm

室内猫写真の撮り方のコツ


 猫の写真を撮るうえで一番のポイントは黒目の大きさです。猫は黒目の大きさが変化し表情を大きく変化させてくれます。明るいところにいれば、猫の瞳孔は縮まり針のように細くなります。反対に暗いところであれば瞳孔の面積を広げて、黒目が大きくなります。針の様な細い目の場合、全体的に表情はキツくみえるようになってしまいます。反対に黒目が大きい場合は、可愛らしい顔つきに見えますね。

 ただ、暗いところではシャッター速度も遅くなり撮影が難しくなります。そんな場合には、ここで紹介したF値の明るい単焦点レンズが効力を発揮してくれます。絞りを開ける事で、少しでも速いシャッター速度でシャッターを切ることがきるようになり、撮影を助けてくれます。
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■使用機材:SONY α6400 + FE35mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離52mm(35mm換算)

 上の写真の場合は、猫のおもちゃで遊んでいるところを撮影しています。少し明るい場所でも興味のあるモノを追っかけている瞬間は、瞳孔を開いて黒目が大きくなります。そんな瞬間を狙って撮影すると、黒目がまんまるの状態で撮影する事が可能です。しかし黒目が大きくなるのは一瞬だったりするので、猫を撮影する際には連写モードで撮影した方が良い瞬間を撮影する事ができます。

 もうすこし簡単な方法で、猫と遊びながら大きな黒目の表情を撮る事ができる撮影方法ですが、大きな白い布(ベットシーツのようなモノ)を用意し、猫と一緒に撮影者も布を被って撮影すると、下の写真のように黒目が大きな表情の写真を撮ることができます。

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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/400秒 絞りF1.8 ISO1600 焦点距離50mm

 例えば下の写真。連写で撮影していますが、ほんのちょっとのタイミングの違いで黒目の大きさが変わっているのが分かると思います。黒目の大きさによって表情はまったく変わりますよね。

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■使用機材:SONY α7R III + FE35mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/80秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離35mm

目の他には、耳の角度も表情を表すポイントになります。

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 耳がイカ耳の状態になっている時と、通常の状態では雰囲気もがらっと変わります。イカ耳の時の方が凛々しく見えたりします。

 ほんの少しのシャッターを切るタイミングで、猫の表情が大きく変わってしまいます。だから連写で撮影できるのであれば連写機能を使って撮影してみた方が、同じ構図でも違った写真を撮ることができます。
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■使用機材:SONY α7R III + FE50mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/160秒 絞りF2.5 ISO800 焦点距離50mm

 筆者の撮影スタイルは、猫の目線に合わせてローアングルかハイアングルのどちらかで撮影する事が多いです。ローアングルで撮影する場合、カメラを床において固定しながら、チルトモニターを使って上から構図を確認しながら撮影しています。一緒に寝転がって撮影しようとすると引きが取れなかったするので、チルトモニターまたはバリアングルモニターが必須です。カメラを床において撮影するメリットは、しっかりとカメラが固定できる事と水平が撮りやすい事です。カメラを固定する事で手ブレ防止にもつながります。絞りを浅くすることで、手前の床の部分などが大きくボカせて奥行き感を表現する事も可能です。

 ハイアングルで撮影する場合には、少しワイドな焦点距離35mmのレンズを使用します。焦点距離が長いレンズはではハイアングルでの撮影はちょっと苦労するかもしれません。
真上から顔をアップ気味に撮影すると可愛らしく撮影する事ができます。

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■使用機材:SONY α7R III + FE35mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/250秒 絞りF1.8 ISO800 焦点距離35mm

 室内で撮影する際に気を付けないといけないポイントが一つあります。それは、室内照明などでおこるフリッカー現象です。フリッカー現象は、撮影した画像にシマシマのムラ模様がでてしまう現象で、室内の蛍光灯、LED照明等の人工の光源が原因となります。蛍光灯やLED照明など、人工の光源下で高速シャッターを使用して撮影すると、光源の種類によってはフリッカーが発生して、露出ムラや色のバラつきが発生する場合があります。フリッカー現象がでる場合は、通常はシャッタースピードを東日本なら1/100秒、西日本なら1/120秒より遅く設定して写真を撮ることでフリッカー現象を軽減する事できます。これは電源の周波数が東日本では50ヘルツ、西日本では60ヘルツとなっており、蛍光灯などの人工光源は、この倍の周波数で発光し、東日本では1秒に100回、西日本では1秒に120回点滅している為となります。カメラの機種によってはフリッカー軽減機能のついた機種もあります。一度ご自身のカメラの設定メニューを確認してみてください。せっかくのいい写真が失敗写真にならないように事前に確認する事がポイントです。

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まとめ


 動物瞳AFはソニーのαシリーズの搭載された以降、ニコンのZシリーズも対応できるようになりました。今後各社に搭載されていく機能になると思われますが、猫ちゃんを飼われている方にはぜひおすすめしたい機能です。そして単焦点レンズを合わせて一本! 間違いない可愛い愛猫のベストショットをたくさん撮れること間違い無しです。

この記事に使用した機材



【ソニー】α7R III

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【ソニー】α6400 ボディ ブラック

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【ソニー】FE 50mm F1.8

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【ソニー】FE 35mm F1.8

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