ニコン Z 6 動物AF|閉じた瞳など様々な状態での検証を行いました!

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はじめに


 2020年2月18日に公開されたファームウェアVer.3.00で、Z 6Z 7で動物AFが利用できるようになりました。これは、犬と猫の顔と瞳を認識して、ピントを合わせてくれる機能で、複数の動物の顔や瞳を認識している場合は、セレクターを使用して任意の顔、瞳を選択することができます。

 今回は、この新機能で実際に犬と猫を撮影してきました。レンズはすべて「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」を使用し、AFエリアモードはオートエリアAF、フォーカスモードは動きモノを撮るAF-Cに設定しています。

簡単設定で犬と猫の顔と瞳をキャッチ


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/320秒 ISO2500 WB:2500

 まず初めに、メニュー画面で「カスタムメニュー」-「a オートフォーカス」-「a4 オートエリアAF時の顔と瞳認識」-「動物認識する」の順に、動物AFの設定をします。これで、人物ではなく、犬と猫の顔と瞳を認識するようになります。

 顔が正面を向いているときは、基本的にカメラに近いほうの目にピントが合って、黄色い小さな枠が表示されます。顔の角度が変わってカメラに近いほうの目が逆の目になれば、そちらの目にピントが自動的に変わります。

 もし、任意の瞳にピントを合わせたければ、カメラの背面にあるマルチセレクターかサブセレクターで、ピントを合わせたい瞳を選択すればOKです。Zオーナーで人物の顔・瞳認識AFを使い慣れている方は、まったく同じ操作なので問題なく使用できるでしょう。

動き回る猫の瞳にもピントが合い続ける!


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO6400 WB:2800


03_Z61_1934_n.jpg
■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO6400 WB:2800

 人でも猫でも、正面を向いて動かない状態なら、難なくピントは合うでしょう。問題は、人よりも小さくて、人よりも(多分)機敏に動き回る犬や猫にピントが合ってくれるかどうかです。

 作例の猫は、筆者が操る猫じゃらしに夢中になってくれて、面白い動きを沢山見せてくれました。この、猫じゃらしのヒモの部分をなめる動作は、顔が絶え間なく動くのでAFには意地悪なシーンなのですが、問題なくピントが合い続けてくれたおかげで、構図に集中することができました。

閉じた瞳も認識する瞳認識AF


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/320秒 ISO2500 WB:2700

 先に搭載された人物の顔・瞳認識機能では、目をつぶっているシーンでも瞳を認識できました。では、猫ではどうでしょう?これ以外のシーンでも沢山撮影しましたが、高確率で閉じた目にも瞳AFが作動しました。ペットが眠そうだったり、寝ているシーンは、とても可愛らしくて撮りたくなるシーンのひとつです。ピントを合わせてシャッターを切るまでの時間が短くなる、瞳認識AFはありがたいですね。

 ただ、寝姿が顔を歪ませるような形だったり、顔の半分以上が足や尻尾などで隠れてしまっていると、瞳認識AFが働かないこともあります。

瞳認識AFが働いてびっくりしたシチュエーション


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/320秒 ISO2500 WB:2800

 もっと難しいシーンでも検証してみました。洗面所で、ちょっとだけ出ている水をなめようと乗り出している猫です。さすがにこれには合わないか、顔しか認識しないだろうと思ったのですが、見事に左の目にピントが合いました。

 撮影中に、黄色い小さな正方形のフォーカスポイントが目の辺りに表示されたら、瞳認識AFが働いている表示になります。このシーンは、顔が正面を向いておらず、目もしっかり開いていない、動いている、しかも猫の体の模様が目に似ているという、合わなくてもしょうがないだろうと思えるほど難しいシチュエーションだったので、瞳認識AFが働いてちょっとびっくりしました。

動物顔・瞳認識AFの確認方法


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/320秒 ISO4000 WB:2700

 物陰から顔を出すようなシーンや、手前に物があるようなシーンもAFが迷いやすいですが、こちらも瞳にしっかりとピントが合いました。

 ピントの確認をする場合、撮影時でしたら液晶画面を見ながら再生し、OKボタンを押すと、ピントが合っているところが拡大されます。自宅のPCなどで確認する場合は、Capture NX-DかView NX-iでフォーカスポイントを表示させると、瞳認識AFが働いている場合は小さな正方形のフォーカスポイントが、顔認識AFが働いている場合はそれよりも大きな正方形のフォーカスポイントが表示されます。

 長方形のフォーカスポイントがひとつ、もしくは何点か表示される場合は、顔・瞳認識AFではなく、オートエリアAFが働いてピントを合わせたという意味になります。今回の作例は、すべて顔か瞳認識のAFが働いたものをセレクトしています。

鼻の長い犬の顔・瞳認識AF精度は?


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO1600 WB:2800

 続いて犬編です。猫よりも鼻が長くて前に出ている犬のほうが、ピント合わせで苦労するのですが、動きの少ないシーンでは難なく合格! こちらはじーっとエサを目の前にして待っているシーンです。薄い毛色と真っ黒な目のコントラストは、ピントが合いやすい被写体ともいえます。

犬、猫撮影が楽になる予感が実感に変わった!


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO2000 WB:2800

 不安定な椅子の上で、くるくると回りながらじゃれ合っていた2匹の子犬たち。カメラのほうに奇跡的に振り向いた瞬間をキャッチできました。このシーンで瞳にピントが合っているのを確認した瞬間は、感動しました。

 黒い顔に、黒い目の子犬の瞳を認識しているのと、もう一匹の子犬の茶色い尻尾が、前ボケとして、ピントの合った子犬の顔の前に被っているのにもかかわらず、顔と瞳を認識しているのは、今までの苦労が信じられないほど、これからの動物撮影が楽になることを実感しました。

横顔だって瞳認識AFはばっちり


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO1600 WB:3300

 横顔でもしっかりと瞳を認識しています。AFが迷いやすいのは顔の毛の色が濃くて、目と顔の毛の色が同化しているような動物です。特に犬は白目が見えにくいので、コントラストが高いところにピントが合いやすいというセオリーから外れてしまうんですよね。

 毛の模様によっては、瞳ではない、瞳みたいな黒白がある模様を瞳認識してしまう機種もあるのですが、Z 6では迷いが少なかったのが印象的でした。もし違うところを認識してしまったら、背面の虫眼鏡にマイナスが書いてあるアイコンの「縮小/サムネイル/ヘルプボタン」を押すとAFがリセットされますので、再度合わせ直すといいでしょう。

低い姿勢で撮ってみよう!


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO1600 WB:3000

 被写体の顔の向きによって、顔を認識したり、瞳を認識したりとAFは絶えず合わせ続けてくれるので、目的の被写体の前を違う被写体が横切ったとしても、顔が見えてくれば、AFはすぐに働いてくれます。一瞬の動きも逃したくない動物撮影には、ありがたい機能です。

 ピント合わせをカメラに任せられるので、もっといい写真を撮るために、ぜひこちらの撮影方法を試してみてください。犬や猫の撮影でお勧めの撮影方法は、低い姿勢で撮影することです。

 上から写すと、いつもと同じようなご飯や散歩待ちの顔しか撮れないので、ほふく前進の姿勢になったり、一緒に寝転んだり、液晶のチルト機能を使ってカメラを地面ぎりぎりまで下げたりして、カメラのレンズが被写体の鼻の高さになるくらいまで、低くなって撮影してみてください。自分が犬や猫のお友達になったような高さで撮影すると、また今までとは違ったムードの写真を撮ることができますよ。

とっさの表情もしっかり捉えられる高性能なAF機能


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■使用機材:ニコン Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO1600 WB:3000

 犬や猫も人間でいうピースサインをした笑顔の王道カット以外の、様々なシーンを撮ってみましょう。こちらの犬もピントが合わなそうな毛色と目の形状でしたが、そんなことは杞憂で、しっかりとかわいらしい表情を撮ることができました。

 カメラの機能が進化しているおかげ、誰もが簡単に素敵な写真を撮れるようになってきました。今回試したZ 6の動物顔・瞳認識AFも高性能で、動物撮影がさらに楽しくなる機能なので、ご自宅でペットを飼われている方は、ぜひファームアップして使ってみてくださいね!