キヤノン RF35mm F1.8 MACRO IS STM|スナップに最高の一本!常用したい単焦点レンズ

ShaSha編集部

EOS Rにつけて斜めから撮影した写真.JPG

RF用レンズ唯一のMACROレンズ

 RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、キヤノン初となるフルサイズミラーレスカメラEOS Rと同時に発表され、2018年11月に発売された単焦点レンズです。

 EOS Rと同時に発表されたレンズは、ズームレンズ2本と単焦点レンズ2本の合計4本です。
 ズームレンズでは、キヤノンの伝統レンズと言っても過言ではないRF24-105mm F4 L IS USMや、ズーム全域で開放F2通しという超弩級レンズのRF28-70mm F2 L USMです。
 単焦点レンズでは、開放F値が1.2の大口径ながらも、非常に描写性能が高いRF50mm F1.2 L USM、そして本レンズの合計4種類が発表されました。

 他の3本と比較すると本レンズはLレンズではないことや、MACROの名称がついていることから、他の3本とは立ち位置が異なるように感じます。

RF70-200mmとEF70-200mmIIIを並べて撮影した写真.JPG
写真左はEOS R+RF70-200mm F2.8 L IS USM
写真右はEOS 5D Mark IV+EF70-200mm F2.8L IS III USM

 その後は発売日に公開した記事でもご紹介した通り、RF15-35mm F2.8 L IS USMやRF24-70mm F2.8 L IS USM、驚愕の小ささで度肝を抜いたRF70-200mm F2.8 L IS USMなど、大三元レンズをはじめとした多くのRF用レンズが発売されました。

 2020年3月16日現在では、RFマウント用のレンズは合計で12本に増えたのですが、意外なことに製品名に「MACRO」の名称がついているのは、本レンズのみになっています。
 そのため、EOS RやEOS RPのボディを使って、小物の撮影や花を撮影することを考えている方、スナップ用のレンズを検討している方は注目すべきレンズでしょう。
 今回はEOS Rや、EOS RPとの組み合わせで本レンズを使い、本レンズがスナップにピッタリな理由をレビューしました。ぜひご覧ください

スナップにピッタリ!

 フルサイズの焦点距離で35mmといえば、引けば広角気味に撮影ができて、寄れば50mmのレンズのようなボケ感も表現できるため、私はスナップ撮影で多く使用されている印象があります。

 他の用途としては、動ける範囲が限られ、屋外に比べて暗い場合もある室内でのポートレート撮影で使われることも多いでしょう。

桜と自転車に乗っている人を撮影した写真.JPG
■使用機材:EOS R+RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:1/320秒 F4 ISO100

 スナップの撮影と言っても、街撮りや旅行先での景色だけでなく、途中立ち寄ったカフェやレストランでの食事など、多くの被写体を撮影することがあります。

 そのためスナップ用のレンズとしては、以下の3点を注目すると良いでしょう。

① 35mmくらいの焦点距離
② 近接撮影が得意
③ 小さく軽い(かなり重要!)

 スナップ撮影はあらゆる被写体の撮影をすることもあるだけに、レンズへの要求も多くなります。
 一見わがままに見えますが、RF35mm F1.8 MACRO IS STMをさまざまな角度から見ると、これらの要求も満たしておりスナップにぴったりだと思います。

広すぎず、近すぎず、ちょうど良い画角

横断歩道を撮影した写真.JPG
■使用機材:EOS R+RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:1/400秒 F8 ISO100

 私が35mmを使う機会が多かった理由の一つに、被写体を探しながら歩いている時に、「この場所から撮ると良いな」と思って撮ると35mmがちょうど良いことが多くあったことが言えます。
 特に街並みを多く取り入れたスナップでは、ズームレンズを使用していても焦点距離35mmで撮っていることが多いです。

 他にもスナップで多く使われている焦点距離で50mmも人気です。
 特にキヤノンEF50mm F1.8 STMはお求めやすい価格ということもあり、キヤノンユーザーの方にとって神レンズと言える存在のレンズがありますよね。
 一眼レフカメラ時代から使っている方はもちろん、EOS Rと一緒にマウントアダプターと合わせて買われた方もいらっしゃると思います。

 35mmと比較するとボケの量が多いため、街にあるモノの撮影や、ポートレートではかなり使いやすいですよね。
 しかし景色や街並みを撮る時に「もう少し広ければ」と感じることもあるため、より広く撮る場合は35mmもおすすめです。

被写体に寄れる

 製品名に「MACRO」と付いているだけあって、被写体に寄った撮影も得意です。
 最短撮影距離は0.17m、最大撮影倍率は0.5倍なので、いわゆるハーフマクロの撮影が可能です。

桜を撮影した写真.JPG
■使用機材:EOS R+RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:1/1000秒 F1.8 ISO100

 花の撮影や虫の撮影では、等倍(1倍)で撮影できるマクロレンズの方が、より近くに寄った撮影や大きなボケを作り出すことがより簡単にできるのですが、ハーフマクロでも結構寄れる印象です。

 そのため立ち寄ったカフェでコーヒーやデザート、道端で咲いている花を撮影したいと思った時に、少しでも寄ることができるのは助かります。

さすがF1.8、ボケも良い

空を多めに桜を撮影した写真.JPG
■使用機材:EOS R+RF35mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:1/1000秒 F1.8 ISO100

 フルサイズセンサーに開放F値1.8となると、ボケ味も気になるところですが、ボケの具合も非常に良いです。
 特に被写体に寄れることは大きく、50mm F1.8のレンズにも引けを取らない大きなボケを出すこともできます。

何といっても、小さくて軽い

 スナップ撮影でも、特にお散歩スナップで持ち出すような時はサイズ感も重要です。

 本レンズの重量は約305gと非常に軽量で、EOS Rボディと組み合わせても約1㎏です。
 以前の記事でもご紹介しましたが、EOS RPと本レンズの組み合わせでは約790gと非常に軽量で、EOS 5D Mark IVのボディよりも軽いのは衝撃です。

EOS Rにつけて正面から撮影した写真.JPG
EOS Rに付けて正面から撮影

 レンズ前面には52mm径のフィルターを取り付けることが可能です。
 ぶつかるほどではないとはいえ、被写体に寄ることが多いため、前面を守るプロテクトフィルターは付けたいところです。

EW-52製品画像.jpg
レンズフードEW-52

 本レンズも専用のレンズフード(EW-52)はあるのですが、1点気をつけたいのはレンズフードが付属しておらず別売なことです。
 フードのサイズはレンズ本体に合わせて非常にコンパクトな造りになっており、普段から付けておきたいだけに、お買い忘れが無いようご注意ください!

 もちろんあらゆるシーンに対応できるレンズですから、被写体に合わせてフィルターを変えるのも面白いです。
 風景撮影はPLフィルター、花や星の撮影ではソフトフィルター、人物撮影には人気なブラックミストNo.1(ケンコートキナー)など付けるフィルターによって表現を変えるのも面白いです。
 これだけ軽量であればスナップだけでなく、あらゆる撮影シーンにも持っていきたくなりますね!

手ブレ補正搭載

ハイブリッドIS.jpg
キヤノン公式商品ページより引用

 メーカー公式商品ページに「角度ブレやシフトブレを補正」とある通り、レンズ本体には手ブレを補正するためのハイブリッドISが搭載されています。
 ローアングルの撮影でも、ボディの背面液晶がバリアングルモニターであることや、開放F値が1.8なのでシャッタースピードを上げやすいためブレも極力減らしやすいのですが、手ブレ補正があるとより一層安心します。

EOS Rにつけて横から撮影した写真.JPG
EOS Rに装着し、横から撮影

 小さくコンパクトなレンズですが、本体左側には手ブレ補正のオンとオフを切り換えるスイッチが独立しています。
 花の撮影などでローポジションに三脚を設置することもあるかと思いますが、スイッチ一つで手ブレ補正のオンとオフを切り換えられるので、楽に設定の変更ができます。

 また、AF/MF切り換えスイッチもついています。
 AFである程度ピントを合わせた後に、MFで追い込みたいときにスイッチ一つでAFとMFを切り換えられるのは嬉しいですよね。
 ところでボディ内手ブレ補正を搭載したEOS R5と組み合わせるとどうなるのか、気になるところです!

撮影後記

お酒のケースを撮影した写真.JPG
桜と自転車を撮影した写真.JPG

 本レンズはLレンズではないものの、使っていて非常に描写性能が高いと感じました。
 何よりもあらゆる被写体に対応できる汎用性の高さがあり、「35mmの焦点距離、寄れる、ボケが作りやすい、小さく軽い」という筆者のわがままにも見事応えてくれました。

 ここまで汎用性が高いとなると、EOS Kiss Mの記事でもご紹介したEF-M28mm F3.5 マクロ IS STMのようにレンズ先端にLEDライトを内蔵しても面白いのでは?と思ってしまいました。

 これほどまでに小さければカメラバッグはもちろん、お気に入りのバッグにインナーケースを使用して持ち運ぶ場合でも余裕でしょう。肩から下げても良いと思います。

 RF24-105mm F4 L IS USMをお持ちの方であれば、ズーム域内の明るいレンズとしても持っておきたい1本です!

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