彼岸花・キバナコスモスの撮り方|北村佑介

02_ソニー α7RIIで撮影した彼岸花の写真.jpg

はじめに


 こんにちは!北村です。今回は、初秋に撮ることができる花、彼岸花とキバナコスモスの撮り方をご紹介致します。

彼岸花の撮り方


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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO200・1/250秒

 彼岸花名所での一枚です。毎年行く場所なのですが、一面が赤で覆われた満開の彼岸花畑はいつ見ても圧巻です。彼岸花を撮るにあたって一番にお伝えしたいことは、満開の時に撮るのがオススメだということです。

 他の花だと、イメージによっては咲き始めや咲き終わりに撮るのもおすすめなのですが、彼岸花は満開が一番です。咲き始めは、一本一本の間隔が空いていて前ボケが作りづらいです。前ボケが作れないと、その分バリエーションが減り、同じような写真を撮ってしまいがちです。そして、枯れると途端に撮りづらくなる花なのですが、咲き終わりは枯れた花が入りやすくなってしまいます。

 そのような理由で、満開の時をおすすめしています。このように引いて小さく撮りやすいのも、やはり満開の時です。サイズが大きめの花なので、小さく撮るのは簡単ではありません。ですが、満開の時だと一本だけ飛び出ている花があるロケーションを見かけることもしばしばあります。一本だけ他と高さが異なれば、このように小さく撮っても主役感が薄れることはありません。


02_ソニー α7RIIで撮影した彼岸花の写真.jpg
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノン EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/640秒

 雨上がりに撮りました。花に残っている水滴がキラキラしています。雨で濡れて花の色が濃くなっていたので、露出を大きめに上げてもしっかりと色が残ってくれました。花と背景が同じ色であるロケーションで、色の薄い場所を背景に選びました。そうすると、色の濃くなった花と色の薄い背景で上手くメリハリがつきます。花と背景が同じ色である場合は、濃淡でメリハリをつけると良いでしょう。

 彼岸花を撮るにあたって、ピント位置で悩まれる方も少なくないでしょう。勿論、見せたい箇所にピントをあてる、という考えで良いと思います。それでも形状が複雑な花なので目安が欲しいという方には、シベの付け根にピントを合わせることをオススメします。シベの付け根にピントをあてると、メインとなる数枚の花びらにもピントが合いやすいです。長いシベの手前がボケて、だんだんとピントが合っていく様子は柔らかいイメージにもぴっ
たりの表現だと思います。


03_彼岸花の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7III + FE 135mm F1.8 GM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F1.8・ISO100・1/640秒

 夕暮れの強い光を背に受け、キラキラと輝く一本を撮りました。彼岸花は形状やイメージ的に、ローキーで撮りやすくハイキーでは撮りづらいです。ハイキーで撮りたい時は、夕暮れの柔らかい光を用いて逆光で撮るとイメージを作りやすいです。彼岸花の花びらは、光に透かすとキラキラと光る赤になるので、逆光との相性も抜群です。夕方17時頃の光が特におすすめです。

 また、このように余計な色を省き、同系色でまとめた時は光の強弱でメリハリをつけるのが良いでしょう。メリハリをつけず花もボケも同じ光の当たり方をしている部分を撮ってしまうと、主役の花が目立ちません。前ボケや後ろボケには、花よりも光が当たっている部分を選ぶと同系色でまとめてもメリハリがつき、主役の花に目が行く写真となります。


04_彼岸花の作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノン EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒

 先程と似たシチュエーションでの一枚です。先程より少し遅い時間、日没直前の僅かな光を使って撮りました。コントラストがあまりないため、色は出しやすくレタッチもしやすいです。逆光での撮影に慣れていない方は、このくらいの時間帯に撮影するのがおすすめです。

 そして先程と大きく異なるのが背景です。青い背景は、砂利を敷き詰められた駐車場の地面。丸いボケは、光が反射している車です。この写真も135mmの単焦点を使って開放で撮っていますが、これくらいのレンズで花と背景の距離を充分にとると、後ろにあるもののほとんどを色として使うことができます。彼岸花は木々の中に咲いていることが多く、背景がマンネリ化しがちなため、是非色々なものを色として背景に使ってみてください。特にアスファルトなどのグレーのものは、自分が決めたホワイトバランスの色が乗りやすいのでおすすめです。この写真は、ホワイトバランスをカスタムで、ケルビンの値を下げ駐車場を青く写しました。綺麗な赤と青のコントラストを作ることができました。


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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM キヤノン用(非ART)
■撮影環境:絞り優先・50mm・F2.8・ISO100・1/125秒

 いつもと少し違うイメージを。あたかも人が通った一瞬を切り取った風ですが、友人に20往復も30往復もしてもらってやっと撮れた一枚です(笑)。この日のために身体を絞ってもらい、歩幅や手の振り方などを変えて何十往復も歩いてもらったので、撮影者の何倍も大変だったことでしょう(笑)。土手に咲いていた数本の中から気に入った一本を決めて、友人をシルエットにして撮りました。手厚い協力のおかげで、ほぼイメージ通りに撮ることができました。

 モノクロにした理由は、花と手前の部分でメリハリがつかず、同化してしまうシチュエーションだったので、モノクロにして手前を黒で締めて視線が行かないようにしました。
花は色が命なのでモノクロにすることはあまりありませんが、きちんとした理由がある時やイメージがモノクロな時は、そうすることもあります。勿論、何となくですることもあります(笑)。絞りは、シルエットの写り方を考えて少し絞りました。

キバナコスモスの撮り方


06_キバナコスモスの作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1000秒

 公園の人目につかない場所で咲いていたキバナコスモス。早朝の光を使って逆光で撮りました。このような柔らかいイメージは、朝でも夕方でもやはり逆光がおすすめです。明るいもの、この場合は空をなるべく入れないように切り取り、写真の中に明暗差が生まれ
ないようにしました。そのお陰で花の色がしっかりと出せました。

 朝や夕方の強い光の時に逆光で撮り、空を入れてしまうと写真に明暗差が生まれます。測光モードにも寄りますが、そうするとカメラが明るい空に露出を合わせてしまい、花が真
っ暗に写ります。このようなシチュエーションで花の色を出したい時は、明るいものを写真に入れない撮り方がおすすめです。


07_キバナコスモスの作例.jpg
■撮影機材:キヤノン EOS M3 + EF-M11-22mm f/4-5.6 IS STM
■撮影環境:絞り優先・11mm・F11・ISO160・1/100秒

 先程と同じロケーション、今度は広角レンズで絞って撮りました。空を入れて撮ったため、花は暗く写りましたが、このように花の部分だけレタッチで明るく仕上げました。レタッチをされる方、されない方いらっしゃると思いますが、空が入った花の写真はレタッチをして完成させるのがおすすめです。普段は絞り開放で撮ることが多いですが、写真に太陽が入るシチュエーションでは光芒の形を適したものにするためや白とびを防ぐため、F8~F11辺りまで絞ることが多いです。


08_キバナコスモスの作例.jpg
■撮影機材:ソニー α7RII + キヤノンEF135mm f/2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/1250秒

 雨の中での一枚です。花びらから滴る水滴が綺麗でそこも見てほしい部分であったため、イメージよりも少し大きめに花を写しました。キバナコスモスは普通に撮っても色が残しやすい花ですが、雨で色が濃くなった時はより残しやすいです。雨の日にキバナコスモスを撮りに行ったときは、積極的にハイキーで撮ってみましょう。

さいごに


 今年は彼岸花もキバナコスモスも咲くのが非常に早い気がします。撮りに行かれる方は、例年よりも早い予定を組むと良いかもしれません。筆者の予想はあまり当たらないとの声をちらほら聞きますが、今年はどうでしょうか。今回も読んでくださり誠にありがとうございました!
それではまた次回。