イチョウ・モミジの撮り方|北村佑介

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はじめに


 こんにちは!北村です!今回は、間もなく紅葉シーズンなので、イチョウ・モミジの撮り方を紹介させていただきます。花以外の写真も撮るとなると腕の見せどころですね。普段花を撮る筆者ならではの、紅葉の切り取り方をお伝えできたらと思います。

イチョウの撮り方


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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1
■撮影環境:絞り優先・180mm・F4.0・ISO1250・1/350秒

 公園の中で、蜘蛛の糸に引っかかっているイチョウを撮りました。ハンドパワーなどとつまらないことは言わないのでご安心ください。色とりどりの背景は、紅葉しているモミジなどです。色付いたものは被写体として選びがちですが、このように後ろボケとして使ってみても面白いと思います。カラフルなイメージにしたかったので、なるべく多くの色が入る背景を選びました。焦点距離が長いレンズを使った時は、レンズを向ける先を少し変えただけで入ってくる色が全く異なります。よりイメージに近い背景をしっかりと選ぶようにしましょう。

 この時イチョウはゆらゆらと揺れていました。少し揺れていたり少し風が吹いている時、筆者はシャッタースピードを1/500秒~1/250秒は確保するようにしています。薄暗いところで開放F値もそこまで明るくないレンズを使い、シャッタースピードをある程度確保する為ISOは1250まで上げて撮影しました。ここまでISOを上げたくないという方もいると思います。しかし、花をはじめとしたネイチャーを被写体にする時は、被写体ブレしてしまうシチュエーションが多いので、ISOを多少犠牲にしてでもシャッタースピードを確保することをおすすめします。

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/350秒

 会社勤めしていた頃の通勤途中にあったワンシーンです。普段何気なく通っていた普通の道だったのですが、黄色く色付いたイチョウで敷き詰められたこの場所を見て、心動くシーンは身の周りにもあるんだなと思いました。身の周りにある当たり前の光景を、当たり前ではなく特別なものなんだと思うようになったのはこのイチョウのおかげかもしれません。

 135mmの中望遠レンズの絞り開放で撮り、圧縮効果を使いました。アイレベル、立ったままの目線から撮ってしまうとイチョウとイチョウの間のコンクリートが目立ってしまいます。このようなシチュエーションではローアングルで撮り、圧縮効果をフルに活用して一面が色付いた道のイメージにするのが良いでしょう。また、この写真に写っていない部分は道路や看板や建物などでごちゃごちゃとしています。焦点距離が長いレンズは、見せたい部分だけを切り取ることができるので、こういった切り取りにぴったりです。

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM
■撮影環境:絞り優先・50mm・F11・ISO800・1/250秒

 11月の中旬、朝7時半頃に撮った一枚です。近所の公園はちょっとしたイチョウの名所なので、この時期は至る所が黄色に染まっています。花もそうですが紅葉は特に、散って地面を彩っている様もとても美しいです。咲いている時や色付いている時は勿論ですが、このように散った後のシーンを切り取るのも筆者はとても好きです。

 通いつめている公園なので、散り具合や太陽の位置を正確に把握でき、イメージ通りの一枚を切り取ることができました。手前の落ち葉から奥の光芒までしっかりと見せたいことと、このレンズは絞った時の太陽の写り方が良いことが理由で、F11まで絞りました。

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO4000・1/250秒

 早朝、はらはらとイチョウが舞いながら落ちていく様を撮りました。日時は異なりますが、先程と同じ公園で数メートルしか離れていない場所です。ほぼ同じ場所にも関わらず全く違うイメージの写真が撮れるのは、一部分だけを切り取る望遠レンズの醍醐味かもしれません。ISOが大きく上がっていますが、落ちてくるイチョウを止めて写すのに必要なシャッタースピード、1/250を優先した結果です。落ちてくるイチョウにピントを合わせるのは困難なため、木の幹にピントを合わせました。筆者は飽き性なので粘って撮る、ということはあまりしません。ですがこの時は、そこそこの枚数のイチョウが落ちてくるシーンを切り取りたかったため、1時間半ほど粘りました。たまには粘るのもいいかもしれませんね。

モミジの撮り方


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■撮影機材:ソニー α7II + キヤノン EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/2500秒

 雨上がりに日が射して、水溜まりの上でキラキラと輝くモミジを半逆光で撮りました。
これは、普段筆者が花を撮る時と全く同じように撮ることができました。シチュエーションも手伝ってお気に入りの一枚となりました。半逆光で撮ると、逆光で撮った時よりも透過する感じやキラキラ感は薄れますが、コントラストがそこまで強くないので被写体が暗くなり過ぎません。日中、晴れている時に逆光で撮ると被写体が暗くなり過ぎてしまう時は、半逆光で撮るのもいいかもしれません。

 地面すれすれの高さから撮ったので、地面が綺麗な前ボケとなってくれました。被写体の主役感が増す写真となったのは、前ボケでごちゃごちゃとした部分が隠れてくれたおかげでしょう。

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + タムロン SP 180mm F/3.5 Di MACRO 1:1
■撮影環境:絞り優先・180mm・F3.5・ISO640・1/250秒

 陽が傾き始めた夕方、綺麗に赤く染まったモミジを見つけました。手前にあったモミジを前ボケに使い、ごちゃごちゃとした部分を隠して主役がわかりやすくなるようにしました。前ボケをフレームのように配置しているのがポイントです。前ボケを作る時、どこか一辺だけでなく四方に作ることを意識しておくと、主役の周りに主役以外のものが隣接しているこのようなシチュエーションでとても役に立ちます。この時、ピントを合わせたものに前ボケが被らないようにするのがおすすめです。前ボケが被ると、せっかく選んだ主役の色や輪郭が薄れてしまいます。

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■撮影機材:キヤノン EOS 6D + EF 135mm F2L USM
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/500秒

 近所の公園で紅く染まったモミジを撮りました。奥の青色はテニスコートです。テニスコートの手前にフェンスもあるのですが、綺麗にボケて目立たなくなっています。被写体と背景にする部分の距離が充分にとれている時、135mmなどの望遠系レンズであれば大抵のものは色として使えます。背景に人工物や地面が入るのは避けようと考える方が多いですが、距離をとればそれらも色として使えると考えると色のレパートリーが一気に増えます。花や自然の写真は、背景の色が緑色に寄りがちなので、こういった背景の作り方も是非レパートリーに加えてみてください。

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■撮影機材:ソニー α7II + FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:絞り優先・135mm・F2.0・ISO100・1/400秒

 綺麗な落ち葉が木の間から漏れた光に照らされていました。モミジは、花以上に形をしっかりと捉えてあげなくてはならない被写体です。薄いので、横や斜めから撮ると形の良さが出ず、線として写ってしまいます。この時も腕を伸ばし、ライブビューで撮影してモミジを真上から捉えました。そのおかげで写っているモミジ全ての形をしっかりと捉えることができました。また、このような時の露出は、明るくなっている部分の色が出るよう、しっかりと下げましょう。ローキーにする時、躊躇して露出を中途半端に下げてしまう方が多いように感じます。

さいごに


 今回は初めて花以外の撮り方を書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。いつも紅葉のおかげで、咲く花が少なくなってきたなと嘆かずに済んでいます。花の撮り方が応用できる被写体なので、普段花を撮っている方ならではの、紅葉の写真を見るのもとても楽しみです!最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!


■写真家:北村佑介
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、ドリーミーフォトと呼ばれる花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業・メーカーへの写真提供、イベントでのトークショーをメインに全国で活動中。著書に「花をながめて大切なことに気づく100の言葉」(かんき出版)などがある。