レオフォト(Leofoto)の三脚を使った夜の飛行機撮影テクニック|長時間露光と多重露光で787を力強く撮る

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はじめに


 今回は、私が愛用している三脚、レオフォト(Leofoto) LS-284CEX LSレンジャーシリーズを使った夜の飛行機の撮影テクニックをご紹介します。最近のカメラは高感度撮影に対応しているものが多く、夜間撮影でも三脚を使用せずに、手持ち撮影をされている方もいらっしゃると思いますが、私の長時間露光撮影テクニックを学んだら、次回からの夜間撮影には三脚を持って行きたくなると思います。

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Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズ


 Leofoto LS-284CEX LSレンジャーシリーズは、軽量、コンパクトなので持ち運びも便利です。荷物の多い遠征時でも、機内持ち込みも可能ですので、ためらう事なく持っていく事ができます。更に、超望遠レンズを装着したフルサイズのカメラをのせても、ビクともしない頑丈さ。長時間露光撮影では、三脚の強度がとても重要なので、その点でも安心して使用できます。

 今回紹介する作品は、空港の展望デッキから撮影したものですが、設置の難しいフェンス越しの撮影においても、カーボンの軽い足は扱いやすく固定も簡単。目的の機体が来る度に移動をしなければならないので、とても重宝しています。

LS-284CEX仕様
・パイプ径:28/25/22/19mm
・全伸長:1566mm
・最低高:176mm
・収納高:626mm
・段数:4段
・質量:2.09kg
・耐荷重質量:10kg

 この作品は、よしみカメラの787忍者レフを使い機内の照明反射をおさえて撮影しました。
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 機内に持ち込んだLeofoto LS-284CEX は雲台(BV-10)を外してバッグの中に収納。三脚単体では長さ53cm。大きなスペースをとらずカメラバッグと一緒に座席上の扉の付いた棚に収納ができます。カメラバッグはマンフロット社 MB PL-BP-R-310 PL Redbee 310 です。

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長時間露光撮影について


 まずは、夜間の長時間露光撮影での三脚の使用法とカメラの設置について説明をします。シャッタースピードを遅くしての撮影なので、三脚は必須です。
下の写真のように、カメラをなるべくフェンスに近づけて設置するため、三脚の足の長さの調節が必要です。空港の展望デッキや、撮影地によってフェンス側を少し短くしたり、なるべくしっかり固定するのがポイント。また小型軽量三脚ではありますが、設置する時に場所をとる為、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。

 三脚の足を固定した後に必ずやってほしい事は、三脚の水準器で水平の確認をきちんとする事。水泡が真ん中に来ている事を確認してからカメラを装着してください。三脚の向きを変えたり、三脚を移動した時も、その都度必ず水平を確認してください。カメラの準備ができたら、いよいよ撮影です。
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三脚の撮影位置を決めて準備する。その際カメラを装着する前に水準器で水平を確認する。

 三脚を使って撮影する際、すべての足を伸ばす必要はありません。ベストアングル、または障害物が少ない隙間を狙って撮影するようにしましょう。
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多重合成をするための撮影時の注意点


 展望デッキにはワイヤーがつきものです。高速シャッターで絞りを開放で撮影すれば気にならないワイヤーも、絞りを絞って長時間撮影すると、はっきりと映ってしまいます。カメラをセッティングしたら、ワイヤーが画角に入っていないかを確認するようにしましょう。どうしてもワイヤーが画面に入ってしまう場合は、画面の四隅にワイヤー箇所を入れて、後からトリミングをする事を意識して撮影します。

 撮影時は、ISOを上げすぎない事です。私はキヤノン社のDigital Photo Professional 4と言うソフトで多重合成をしていますが、ISO感度を高くして撮影してしまうと、合成完成時にハイライト(画面の明るい部分)が白飛びしやすくなってしまいます。ISOは100~200までにしましょう。

 飛行機や作業車の光跡を撮影する場合、どこから動き出してどこで止まるのか、どのくらいの速度で移動するのかを予測するのは難しいです。なので飛行機や作業車の動きに合わせて、露光時間を変更しています。その時に注意しなければならないのがISOの設定です。露光時間を変更した時は、白飛びしないよう、忘れずにISOを下げて適正露出にします。露光時間の設定は、写したいものや、その時の状況によって全く違ってくるので、普段手持ちで使用しない1/2秒くらいから30秒という時間で撮影する事で、どのようなものが写しだされるのか、現場で体験してみてください。

 撮影が全て終わるまで、三脚が数ミリでも動いてしまうと、後に多重合成する際にブレが出てしまいシャープ感を得ることができません。そこでカメラのリモート機能を使いスマートフォンと連携します。キヤノンの場合は、『Camera Connect』と言うアプリを使う事で、露出設定、撮影データ変更、シャッターを切る作業まで全て行うことができる機種もあります。もちろん私が使用している最新のEOSR5とR6には搭載されているので、普段の長時間撮影ではカメラに触れる事なく撮影し、ブレを軽減しています。この機能がないカメラの場合は、シャッターを押すことによるブレを防ぐために、タッチシャッター(数秒後に切れる)を使う事をおすすめします。レリーズを使う場合は風の影響を受けないように露光中はレリーズを手で持つと良いでしょう。

 風の強い日は、どんなに頑丈な三脚を使用していてもブレてしまうので、風があまり吹いていない日を選んで撮影に行きましょう。カメラのストラップや、超望遠レンズのストラップは、風の影響を受けブレの要因となる可能性があるので、結んでしまうか、外す事をおすすめします。また、PM2.5などの有害物質が少ない視程の良い日を選んで撮影に行く事も大切です。

多重合成を楽しむ


 キヤノン社のDigital Photo Professional 4を使用して多重合成をする場合、最初に合成する画像のフォルダを作成してまとめておくと便利です。ソフトを起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。各写真を重ねる時、画面表示を大きく(100%に)してズレがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。

 私は比較(明)で合成する事が多いのですが、色々とモードを試してみてください。一枚では表現できない世界が見えてきます。また、合成するソフトがない場合は、スマートフォンのアプリでも多重合成してくれる便利なものがあるので、自分に合うアプリを探してみてはいかがでしょうか。

 Digital Photo Professional 4を起動して、多重合成ツールを使いながら画像を重ねていきます。ツールから多重合成ツールを選択して作業開始します。
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 各写真を重ねる時、ずれがない事を確認しながら丁寧に重ねていきましょう。画面表示を100%にして、一枚ずつ位置合わせをしながら、ずれがないか確認。途中3カット毎に保存しておく事をおすすめします。少しでもずれてしまうとぼやけた写真になってしまうので注意が必要です。
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福岡空港展望デッキ


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■機体:ANA 787-8 JA817A
■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:20秒 F9 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って10枚を合成

 今年リニューアルされた福岡の展望デッキの作品です。新しい展望デッキでは、フェンス越しとはいえ、とても近くで飛行機を撮影することができます。取材に訪れた日は、運よくボーディングブリッジの付かない8番スポットに787が駐機してくれました。羽田空港から到着後の787の周りを、定時運行の為に忙しく作業をする様子を長時間露光で表現してみました。多重合成する事で、スポットで働く人達の動きをイメージ通りに仕上げることができました。また、視程が良く、空にうっすらと雲がかかっていたので、光の反射があり普段よりも明るく撮影することができました。

羽田空港787洗浄シーン


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■機体:ANA787-8 JA835A
■撮影機材:キヤノン EOSR5 + RF70-200mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:1/2秒 F2.8 ISO200 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って3枚を合成

 羽田空港外周にて、深夜に飛行機を洗っているシーンを撮影しました。この場所では二重フェンスをクリアして撮影をしなければなりません。まず、液晶画面の露出を少し明るめに設定し、フェンスの位置が機体にかかっていないか確認します。その後、適正露出にしてからシャッターを切ります。照明に照らされている機体のハイライト部分を適正露出に調整するのがポイントです。

羽田空港展望デッキ


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■機体:ANA787-8 JA821A
■撮影機材:キヤノン EOSR6 + RF15-35mm F2.8L IS USM + Leofoto LS-284CEX (雲台 BV-10)
■撮影環境:30秒 F14 ISO100 WBオート ピクチャースタイルオート Digital Photo Professional 4を使って7枚を合成

取材に訪れる日によって、駐機している機体も、飛来してくる機体も様々ですが、私のライフワークとも言える、787の撮影の為に集まってくれたのではないかと思えるほど、この日はたくさんの787がやってきてくれました。ボーディングブリッジを入れずに撮影できる位置に駐機してくれた機体は、過去にも多くの劇的なシーンを撮らせてくれた「JA821A」と言うのも嬉しい偶然でした。この作品の光跡は全て787のもの。苦難の時期に懸命に働いている空港の人々と、次世代航空機として期待されているボーイング787の作品を明るく、力強く、そして美しく創り上げる事で、この時期をみんなで乗り越えていこう、と言う想いを込めました。

まとめ


 以上のように、三脚を使用して長時間露光撮影をする事によって、表現の幅がぐんと広がります。今回の作品は三脚を使用して、夜の空港のボーイング787を撮影しました。いつもとは違う夜の美しい光景を映し出す事ができる長時間露光撮影を、是非一度、夜の空港で試してみてください。

■この記事で掲載している作例は緊急事態宣言前に撮影したものです。

■写真家:岡本 豊
1972年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業後、企業の広告写真やポートレートを中心に撮影。ボーイング787に魅了され活躍の場を本格的に航空機撮影にスイッチ。現在、月刊エアライン連載「Go! Go! 787」、航空会社の撮影、セミナー等で活動中。年間50回以上787に搭乗。魅力を追う旅へ飛んでいます。Canon EOS学園講師。