タムロン 17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXDレビュー|軽量で汎用性に優れた大口径標準ズームレンズ

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はじめに


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 今回はタムロンから新しく発売されましたソニーEマウントAPS-C用の「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」について実写を交えてレポートさせて戴きます。

 ズーム域は17mm-70mm(35mmフルサイズ換算25.5-105mm)と標準ズームとしては充分な画角をカバーしており、尚且つズーム全域において開放F2.8と比較的明るいレンズのため汎用性に優れています。風景は勿論のことポートレートや暗い場所での撮影も広範囲にこなせるので実写するのがとても楽しみです。外観は現在タムロンより発売中のソニーEマウント用レンズ群と同じような雰囲気で統一性が見られます。そして、レンズ本体の重量が525gと非常に軽いのでα6000シリーズにとてもマッチします。

ポートレートでの写りをチェック


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 まずはポートレートから撮影しました。モデルさんは世界最大規模のミスコンテスト、ミス・グランド・インターナショナル2020 日本大会のファイナリストである安藤美樹さんにお願いしました。

 カメラ本体はα6400を使用してソニーの追いかける瞳AF機能を使って撮影しました。瞳AFは問題なく動作してくれ、ズーム全域での合計5カット(17mm/24mm/35mm/50mm/70mm)をテンポ良く連続で撮影してみましたがストレスを感じる事は有りませんでした。ファインダーを覗いてみた時にはタムロンらしい優しく柔らかい雰囲気があり、個人的にはポートレートに合うレンズという印象でした。

 17mm(35mmフルサイズ換算25.5mm)の広角端でも歪みが少ないので、パースペクティブを活かした構図でのポートレート撮影にも使用出来ますね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/20

 24mm(35mmフルサイズ換算36mm)は広角ポートレートでは定番の画角になりますが、素直な描写のためズームレンズでは無く単焦点レンズで撮影したと言っても解らない位解像感も有ります。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO125 焦点距離24mm
■撮影日:2020/12/20

 35mm(35mmフルサイズ換算52.5mm)は標準レンズとしての画角ですが、開放F2.8での撮影では少しボケを活かした撮影が出来るようになってきますね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離35mm
■撮影日:2020/12/20

 52mm(35mmフルサイズ換算78mm)はポートレート撮影のスタンダードな画角に近いのですが、この辺りの焦点距離だとF2.8でもかなりボケを表現に取り入れる事が出来るので、より主役のモデルさんを引き立つように撮影出来ますね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO160 焦点距離52mm
■撮影日:2020/12/20

 70mm(35mmフルサイズ換算105mm)もポートレート撮影の王道の焦点距離だと思いますし私自身も好きな焦点距離なので、APS-C用の標準ズームで使えるのは凄く嬉しく思います。開放もF2.8なので本当に使いやすいですね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/250秒 ISO200 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/20

万能感抜群の焦点距離と描写力


 続いては風景写真です。ちょうど雪が積もったので地元で雪の景色を撮影してみました。絞りをF8まで絞って撮影したのですが、発色も良く山のふもとの集落まできっちり解像してくれますので風景にも使いやすい印象ですね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/8 1/500秒 ISO125 焦点距離43mm
■撮影日:2020/12/23

 雪のメタセコイア並木を望遠端70mmで撮影してみましたが、フルサイズ換算105mmでの望遠圧縮効果で並木の雰囲気を出すことが出来ました。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/8 1/100秒 ISO100 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/23

【動画手振れ補正比較】
 足元の悪い雪上での手持ち撮影でしたが、レンズ本体に手振れ補正が搭載されており静止画だけでなく動画撮影にも強い味方になってくれました。

▼手振れ補正なし


▼手振れ補正あり


 京都の銀閣寺近くの喫茶店でケーキセットをテーブルフォト撮影してみました。この写真は広角端17mmで窓からの明かりを使用して、少し引き気味にお店の雰囲気も伝わるように撮影してみました。テーブルのケーキや紅茶だけでなく、カーテン越しの太陽光のコントラストも美しく優しく描写してくれるのはこのレンズの良い所ですね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO100 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/21

 標準域の30mmは椅子に座ったままちょうどテーブル上のトレーが良い構図で撮れる画角でした。椅子から立ち上がらずにズームで画角調整できるため、お店や他のお客さんの迷惑にならないのが嬉しいですね。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO125 焦点距離29mm
■撮影日:2020/12/21

 望遠端70mmを使用してケーキだけをアップで撮影。最短撮影距離が短く寄れるレンズなのでこのカットも椅子に座ったまま撮影することが可能でした。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO250 焦点距離70mm
■撮影日:2020/12/21

 仕事の際に通りがかったJR京都駅の駅舎とそこに写り込む京都タワーのスナップ写真。このレンズは駅舎の鏡面ガラスの微妙な色の違いやコントラストも表現してくれます。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO100 焦点距離61mm
■撮影日:2020/12/30

 こちらも仕事の行き道にスナップ撮影した大阪駅構内の写真。通りがかりに目についたものを切り取り、素早くピントを合わせて撮影出来る機動性はスナップ撮影には一番必要な機能ですが、それらを高次元で達成しているレンズだと思います。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/640秒 ISO125 焦点距離37mm
■撮影日:2020/12/30

 大阪国際空港近辺にて撮影した着陸機の写真。日暮れ前の暗くなり始めた時間帯にシャッタースピードを上げて、間近を凄いスピードで通り過ぎる被写体をAF撮影するには開放値の明るさが絶対条件です。このレンズは流石開放F2.8なので、シャッタースピード1/1600秒に設定してトラッキングAFを使用するだけで簡単に撮影出来てしまいます。

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■撮影機材:ソニーα6400 + タムロン17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD
■撮影環境:f/2.8 1/1600秒 ISO640 焦点距離17mm
■撮影日:2020/12/12

まとめ


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 短期間で出来る限り色々な被写体を撮影してみたのですが、α6000シリーズとのバランスが良く何より軽いので取り回し良く撮影出来ました。長さ119.3mm、フィルター径67mm、重量525gとズーム全域開放F2.8の明るい標準ズームとしてはかなり小型軽量であり、最短撮影距離も17mm広角端で19cm、70mm望遠端で39cmと被写体にもグッと寄れます。AFも速くて明るく写りも良いので「17-70mm F2.8 Di Ⅲ-A VC RXD」の万能感は抜群でした。α6000シリーズをお使いの方は是非一度お試し頂きたいと思うレンズです。


■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員