キヤノン RF24-105mm F4 L IS USMレビュー|コンパクトなサイズに高描写力を備える万能レンズ

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はじめに


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■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO160 F8 1/1250秒 焦点距離40mm

 2018年秋にキヤノン社がスタートさせたEOS Rシステム。シリーズ初のカメラであるフルサイズミラーレス一眼、EOS Rとともに初めてのRFマウントレンズの1本として発売されたのが、今回レビューをおこなうRF24-105mm F4 L IS USMです。使用頻度の高い画角、焦点距離を網羅した標準ズームレンズであること、発売当初のRFレンズのラインナップの中では最も手頃な価格であったことから、発売から長期に渡りRFレンズとして随一の人気を得ている1本。RFレンズのラインナップが充実してきた現在においても、はじめての1本として選ばれることが多いレンズです。

コンパクト設計


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■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F8 1/640秒 焦点距離24mm

 RF24-105mm F4 L IS USMは全長107.3mm、重さ約700gとこのスペックのレンズとしては小型、軽量にまとめられています。このあたりは、大口径かつショートバックフォーカスであるEOS Rシステムの利点をしっかり活かしてきた印象。EOS Rシステムの広角〜標準域のレンズは、同社一眼レフのEFシステムに比べ設計の自由度が大幅に上がっているため、より高画質かつコンパクトに作れるのが特徴です。EF24-105mm F4 L IS Ⅱ USMは全長118mm、重さ約795gなので、長さにして約10mmの短縮化、重さ約100gの軽量化を達成。航空機撮影では、遠征することや撮影場所まで大きな荷物を持って歩くということがあるため、荷物が少しでもコンパクトにまとまるというのは利点となります。

画質


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■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F6.3 1/3200秒 焦点距離24mm

 レンズ構成は14群18枚。絞り羽根枚数は9枚の円形絞りとなります。非球面レンズとUDレンズが採用されLレンズらしいシャープな描写を実現。機体に描かれた小さな文字や外板の継ぎ目に打ち込まれた鋲など、ディテール部分のシャープな表現が求められることの多い飛行機撮影においても十分な描写性能を有しています。

 中央部分の描写力はもちろん、画面周辺部分における描写力の高さも特徴。広角域でありがちな周辺部の嫌な像流れもなく、収差や偽色が最小限に抑えられています。飛行機撮影では機体が横長であることが多いため、コクピットウインドウなどフォーカスを合わせた位置が画面周辺部にくることが多く、周辺部の描写力は最も重要と言っても過言ではありません。その点、このレンズは周辺光量落ちも少なくズーム全域に渡り安心して使えるレンズと言えます。

 逆光時、または夜間に機体の着陸灯などを真正面から受けた際などはゴーストが出やすい印象。ASCコーティングがされてはいますが、ゴーストの影響が気になる場合はレンズの角度を変えるなど工夫が必要になります。

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■撮影機材:キヤノン EOS RP + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO100 F4 1/1600秒 焦点距離105mm

 前述の通り、飛行機撮影ではディテール部分のシャープさやカッチリ感が重視されることが多く、ボケ味についてはレンズ選択時にそこまで重要視されません。望遠レンズを多用するジャンルではありますが、遠くの機体と遠くの背景という組み合わせで撮ることが多い飛行機撮影。なかなか、ボケ味を活かす場面が少ないというのが正直なところとなります。

 しかし、写真のように草花の咲く時期にはこれらを前ボケにして飛行機を撮ることも。開放F値がF4のレンズですから、ボケ味をそこまで気にしていないという方も少なくないとは思いますが、テレ端あたりでのボケ味はなかなか。点光源などは円く柔らかい優しいボケとして描き出されます。ワイド端付近では若干、二線ボケが目立つものの、ポートレートやお花の撮影などでボケ味を活かした撮影も十分に堪能できるポテンシャルを持つレンズです。

AF


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■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 1/1250秒 焦点距離30mm

 キヤノン社のラグジュアリーレンズであるLレンズとしては、はじめてオートフォーカス(以下AF)の駆動にナノUSMが採用されました。ナノUSMは小型に設計され、リングUSMやSTMの特徴を併せ持ちます。リングUSMは高速性とパワー、STMは静粛性と滑らかさを特徴としますが、ナノUSMは高速性、静粛性、滑らかさを兼備。飛行機写真の撮影においてはAFの高速性が活き、飛行機動画の撮影においてはその静粛性と滑らかさが活きます。

 飛行機写真の撮影においては、木々の間から機体が出現しフレームアウトするまでのほんの何秒かの間にフォーカスを合わせシャッターを切る…というタイトな撮り方をすることがあります。合焦速度が少し遅いだけで失敗してしまうため、瞬時に目標をとらえてくれるこのナノUSMにだいぶ助けられています。

手ブレ補正


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■撮影機材:キヤノン EOS R6 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO25600 F4 1/160秒 焦点距離60mm

 飛行機はもともとカメラやレンズの性能に頼る部分の多い被写体。AFとともに頼ることの多いシステムが手ブレ補正機構になります。RF24-105mm F4 L IS USMは、レンズ単体でも最大5段分の手ブレ補正効果がありますが、これは光学ISの制御の見直しとデュアルセンシングISにより実現されたもの。手持ち撮影の多い飛行機撮影では、とくに助かる効果といえます。

 さらに、キヤノン社のカメラでははじめて、EOS R5とR6にボディ内手ブレ補正機構を搭載しましたが、これらのカメラと当レンズの組み合わせでは、なんと8段分の手ブレ補正効果を発揮。夜間など低露出下での撮影においても、手持ち撮影で挑める範囲が広がりました。とくに夜間、駐機している機体を手持ち撮影する際などに絶大な効果を実感。R5やR6との組み合わせでは、ミラーショックレスのアドバンテージと相まって、かなりのスローシャッターで撮影しても歩留まりが良かったりします。

操作性


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■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 4秒 焦点距離24mm

 レンズの先端付近に新たに追加されたのがコントロールリング。ここでは絞りやシャッタースピード、ISO感度変更などの機能を割り当てることが可能になりました。ズームリング、ピントリングとほぼ隙間なく設置されているため、咄嗟のシーンでいきなり使用するには慣れも必要ですが、慣れてくると便利。EVFから目を離さずとも、シャッターを押す寸前まで露出の変更が可能です。被写界深度目盛りは省略されていますが、マニュアルフォーカスにしてピントリングを動かすとEVF内に目盛りが表示されます。

防塵防滴


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■撮影機材:キヤノン EOS R5 + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO2000 F5 1/1000秒 焦点距離50mm

 RF24-105mm F4 L IS USMには防塵防滴機構を採用。フッ素コーティングも施されているため、汚れを簡単に落とすことが可能です。ほぼ屋外で行われる上、埃っぽい場所や雨の日の撮影などもある飛行機撮影。レンズの堅牢性、耐久性の高さを求められるジャンルであるがゆえタフな作りが喜ばれます。

まとめ


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■撮影機材:キヤノン EOS R + RF24-105mm F4 L IS USM
■撮影環境:ISO400 F8 1/1000秒 焦点距離28mm

 EOS Rシステムの利点としてよく挙げられるのがショートバックフォーカスであるという点。ミラー機構が無いため、EFシステムに比べレンズの後玉からセンサーまでの距離が短いという利点です。この利点を活かしやすいのが広角〜標準あたりのレンズ。設計の自由度が上がるため、コンパクトで高画質なレンズを作りやすくなりました。

 EOS Rシステムの発表と同時に紹介されたレンズが、どれも広角〜標準域の短めレンズだったことを思い出します。やはり、まずはこの利点を最大限に活かせるレンズを…ということもあったのでしょう。その中でもこのRF24-105mm F4 L IS USMは、コンパクトかつ高画質というEOS Rシステム最大の利点を大いに活かしたレンズ。広角〜標準だけでなく望遠域までカバーしています。

 発売から時を経ても売れ筋の一本として挙げられる名玉。ゆる〜く撮る時に気軽に持ち出すことができるコンパクトさ、ガチで撮る時にしっかり応えてくれる画質の良さ、使いやすい焦点距離を網羅している点といい、万能レンズとして多くの方に自信を持ってオススメできるレンズです。


■写真家:A☆50/Akira Igarashi
絶景ヒコーキ写真を求め全国を駆け巡る瞬撮系航空写真家。雑誌、WEB、TVなど各種メディアに出演、作品を提供するかたわら大手航空会社やカメラメーカーなどのオフィシャル撮影を担当。キヤノンEOS学園講師。公益社団法人 日本写真家協会会員。


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