ソニー FX3|シリーズ最小・最軽量のシネマカメラが登場!

ShaSha編集部

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はじめに

 ソニーは映像制作用カメラのCinema Line(シネマライン)にフルサイズセンサー搭載の「FX3」を2021年3月12日(金)に発売すると発表しました。Cinema Lineシリーズは同社の映像制作用カメラとして展開され、VENICEを最上位機種としたプロの制作現場で求められる映像表現力や操作性を持ったカメラです。FX3はそのCinema Lineと一眼ミラーレスカメラ「α」で培った先進テクノロジーが融合した、シリーズ史上最も小型・軽量※となるシネマカメラになります。

 カメラ性能はα7S IIIと同性能な部分も多く、より動画向きになったカメラがFX3という印象です。同性能な部分で主だった所は、大きな画素ピッチを持つ裏面照射型CMOSセンサーと高速処理を可能とする画像処理エンジンBIONZ XRを搭載し優れたAF性能と高感度性能を持っています。最大4:2:2 10bitの4K 120pでの動画撮影が可能で手振れ補正は5軸で5.5段分の補正効果があります。一方異なる部分としては、ファインダーは無くなり、操作ボタンやレバーが動画撮影に特化した配置になり、冷却ファンが搭載された事で最長13時間の連続撮影が可能になりました。またトップハンドルとなるXLRハンドルユニットが付属され取り回しの自由度が向上し、ボディー本体にネジ穴があけられケージ不要の拡張性能があります。

 今回はソニーストア銀座の先行展示機(サンプル機)を触ってきましたのでその時の印象を含めて記事を書かせて頂きました。是非ご覧ください。

※ソニーCinema Lineシリーズ内。2021年2月時点。

外観/操作性

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XLRハンドルユニットを装着したFX3
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XLRハンドルユニットを外したFX3
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向かって左がα7S III、右がFX3
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向かって左がα7S III、右がFX3

 付属のXLRハンドルユニットを外すと大きさはα7S IIIとほぼ同程度に見えます。電子ビューファインダーが無くなり撮影画像は液晶モニターもしくは、外部モニターで確認するようになっており高さは約2cm低くフラットになっています。また、長時間撮影を可能にする冷却ファンが搭載されたことで奥行きは約4mm増しています。

外寸と質量
FX3 :約129.7×77.8×84.5mm、約640g
α7S III:約128.9×96.9×80.8mm、約614g
※外寸は横×高さ×奥行、質量は本体のみ

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 グリップを握って持った感触は少し厚みのあるα7S IIIといった感じで、グリップは深く握りやすいものでした。とてもシネマカメラを手持ちしていると思えないくらい小型軽量で取り回しの良さを感じます。

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 電源ボタンがあったところにはズームレバーが配置されており、対応する電動ズームレンズの「光学ズーム」の操作はもちろん、単焦点レンズ装着時にも画質劣化の少ない画像処理による「超解像ズーム」や「デジタルズーム」も行えます。

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 上面はフラットですっきりしたデザインになっており、一眼ミラーレスにあるような撮影モードダイヤルや露出補正などのダイヤルは無くなり、動画撮影に適したボタンやレバーが右側にレイアウトされています。右上に(1)IRIS「絞り」、(2)WB「ホワイトバランス」、(3)ISOが初期設定されたカスタムボタンが配置されており、その手前には大きなRECボタンがあります。

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 上面同様に背面も操作ボタンは右側に集約されていますので右手のみの操作を可能にし、左手はレンズに添えてカメラを安定させることが出来ます。また少し見づらいかもしれませんが、右側の中央より少し下にあるリング状のダイヤル部分(コントロールホイール)には左側に「ZEBRA」、右側に「PEAKING」のカスタム可能な物理ボタンが配置されており、動画撮影に便利な操作性になっています。

液晶モニターは解像度144万ドット、3.0型のバリアングルを採用。これにより自由度の高いアングルでの撮影が出来ます。

 録画開始ボタンを押し忘れて凍り付いた経験があるのは私だけではないはずです(笑)。FX3にはタリーランプがカメラの前面、背面、天面の計3箇所にあり、加えて動画記録中はモニター画面も赤枠を表示することで、自撮りしている時や、リグやジンバルを装着して画面が見づらい場合でも、記録中かどうかすぐに見分けることができるので安心です。

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 デフォルト設定がRECボタンのカスタムボタン(6)が前面向かって右下についており、自撮り撮影中に親指と人差し指でつまむかたちで押せるのでカメラを揺らすことなく録画のON/OFFが可能です。

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 CFexpress Type AメモリーカードとSDカードの両方を利用する事ができます。ダブルスロットの片方にCFexpress Type Aを入れて、もう片方にSDカードを入れて利用する事も可能です。

拡張性

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 ボディーには上面3か所、左右それぞれに1か所の計5か所にネジ穴(1/4-20UNC)が開いており、ケージを使うことなくアクセサリーを直接ボディーに装着する事が可能です。ケージが不要となることで機動力は向上し、短時間でのセットアップができるようになります。

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 同梱のXLRハンドルユニットにはXLR端子を2基備えたデジタルオーディオインターフェース対応XLRアダプターを搭載しています。別売のXLRマイクとの組み合わせでデジタル信号をカメラに伝送できます。本体側の設定により、デジタル4CHや24bitでの音声収録もサポート。またXLRハンドルユニットにもネジ穴が3つ(上面2、後ろ1)ありますので、更なる拡張が可能です。
※写真では上面に1つのネジ穴しか見えませんが、右側のアクセサリーシューがもう1つのネジ穴を利用していて見えなくなっています。

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 グリップと反対側面の左側にはHDMIの大きいType-A端子が付いており、右側は上から順に3.5mmの音声入力端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子、マイクロ USB端子が装備されています。

連続撮影性能

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 α7S IIIでも優れた放熱構造により、4K/120Pで60分間の連続撮影を可能にしていましたが、FX3ではその放熱構造に加え、冷却ファンを搭載する事で4K/120Pで最長13時間の連続撮影を可能にしています。冷却ファンの動作モードは撮影条件に合わせて、「オート」、「最小」、「記録時Off」、「常にOff」から選択を行え、音に拘るクリエイターの方でも安心して撮影することが出来ます。ショールームでは実際に「オート」と「最小」で冷却ファンを動作させてみたのですが、周りが騒がしいせいか、まだセンサーに熱を持っていなかったせいか、カメラに耳をあててもファンの音を聞き取る事ができませんでした。ひょっとしたらすごく微細な音なのかもしれない?とも思いましたが、ここは後日レビューでしっかり確認してみたいと思います。

シネマの映像表現力

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 上位機種であるFX6やFX9でも好評な、肌の色を美しく見せるスキントーンを中心としたルック「S-Cinetone」を搭載しておりシネマのようなルックを手軽に再現することができます。

 また階調特性を重視したS-Log3を搭載し、上位モデルとの親和性を高めています。S-Log3設定時は15+ストップという再現域を確保しています。

 カメラ内で最高4K/120Pのハイフレームレートの動画記録が可能で、4K解像で最大5倍のなめらかなスローモーションで印象的な映像表現ができます。

αで培ったAF性能と高感度性能

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 像面位相差とコントラストのハイブリットAFで浅い被写界深度でも、素早く動く被写体にも高精度に追従します。像面位相差AFでは画面のほぼ全域(約9割)の範囲で被写体を捉える事が可能です。またリアルタイム瞳AFを使うことで、被写体へのフォーカス合わせをカメラ任せに出来るので、画面の隅々まで気を配り撮影することが出来ます。

 α7S IIIとほぼ同等の有効画素数約1026万画素(静止画時は1210万画素)の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジンBIONZ XRを搭載する事で高画質はもちろん拡張最高ISO感度409600になり、暗所での撮影性能も非常に優れています。

 また5.5段分の補正効果がある5軸のボディー内光学式手振れ補正と手振れ補正効果を更に向上させるアクティブモードにより、シーンによってはジンバルなどを使わずに機動力を持って撮影を行うことができます。

さいごに

 Cinema Lineとαが融合する事で、業務用と思っていた映像制作用カメラは益々身近になり、プロだけでなく趣味で映像美を求めるクリエイターにとっても魅力的なカメラになっているのではないでしょうか。今度は実際の撮影現場にもって行ってレビューしてみたいと思いますので、そちらも公開しましたら是非ご覧ください。

特集ページ

FX3特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。

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■更新
・2021年3月2日:予約開始に伴い予約開始時期の文言更新と商品ページへのリンクを追記しました。
・2021年3月15日:製品の発売に伴い予約受付中の内容を差し替えました。

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