富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRレビュー|広い焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ

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はじめに


 今回は、2021年3月18日に発売されました富士フイルムの新製品「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」をレビューさせていただきます。富士ユーザー待望の焦点距離70mm-300mm(35mm判換算107mm-457mm相当)という望遠ズームレンズであり、製品名が長いことから分かるように、防塵防滴やレンズ内手ブレ補正など、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ1本となっています。実際に触らせて頂いたことで分かった製品の特徴を、外観や作例と共にお伝えしていきます。

基本スペックと外観


 まずは、本レンズの基本スペックと外観で気になるポイントを紹介していきます。はじめにスペックのおさらいです。

製品スペックの紹介


■レンズ構成:12群17枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚)
■焦点距離:f=70-300mm(35mm判換算:107-457mm相当)
■画角:22.9°-5.4°
■最大口径比(開放絞り):F4-F5.6
■最小絞り:F22
■絞り形式:羽根枚数 9枚、ステップ段差:1/3ステップ(全16段)
■最短撮影距離:0.83m
■最大撮影倍率:0.33倍(T端)
■外形寸法:最大径×長さ*1(約)
 Ø75mm x 132.5mm(W端)、Ø75mm x 205.5mm(T端)
■質量*2(約):580g
■フィルターサイズ:Ø67mm

*1 先端よりマウント基準面まで
*2 レンズキャップ・フード含まず
*本レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 尚、ロックはズームリングを回すことで解除されます。

■引用:主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズ(リンク:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/lenses/xf70-300mmf4-56-r-lm-ois-wr/specifications/

製品外観の紹介


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 本製品はなんと言ってもコンパクトなサイズ感が大きな特徴。560gで35mm判換算107mm-457mm相当が叶えられるのはAPS-C機ならではですね。

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防塵防滴仕様であることを表す「WEATHER RESISTANT」の文字

 本製品は鏡筒の10ヶ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造(WR)です。スポーツや野鳥撮影など天候に左右される撮影でも安心ですね。

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レンズが不意に伸びてしまうのを防ぐズームロックスイッチ

 レンズのズームロックスイッチは携帯時の自重落下を防ぐためのもので、ワイド端でのみロックが可能です。 ロックはズームリングを回すことで解除されます。

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専用のレンズフードが付属する

 専用レンズフードです。少し凹みがあることで装着がしやすくなった印象です。

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レンズ径はØ67、リニアモーター搭載を表すLMの文字

 レンズ径はØ67です。レンズ名にあるLMは静かで高速、省電力なオートフォーカスを実現するリニアモーター搭載のレンズのことで、LM非搭載のレンズと比較するとかなりの静音AFを実現しています。

3つの特徴を紹介


小型軽量・テレコンバーターにも対応


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テレコンXF2X TC WRを装着しても500mlペットボトルより小さい

 本レンズは70-300mmという広い焦点距離をカバーしつつも、製品重量は580g(レンズキャップ含まず)とかなり軽量設計となっております。更に「XF2X TC WR」や「XF1.4X TC WR」のテレコンバーターを組み合わせることが可能です。焦点距離が2倍になる「XF2X TC WR」との組み合わせでは、焦点距離600mm(35mm判換算:914mm相当)までカバーすることができ、重さはわずか750g。35mmフルサイズ機などに使用する同一焦点距離の他社製品と比較すると、相当軽量かつコンパクトな筐体で超望遠の撮影が可能ということが分かります。そのサイズは、なんと500mlペットボトルよりも小さいという驚きのコンパクトさです。

超望遠・マクロ撮影も可能


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スマートフォンで撮影(左)、テレコンXF2X TC WR+ワイド端撮影(中央)、テレコンXF2X TC WR+テレ端撮影(右)

 上記スマートフォンとの比較写真を見ていただければ一目瞭然ですが、スマホでは広角の風景だった写真が、テレコンをつければ坂の頂上にあるミラーに映る人の姿まで撮影することができます。

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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/500 F7.1 焦点距離300mm

 ズーム全域で最短撮影距離83cm、最大撮影倍率0.33倍(35mm判換算:約0.5倍相当)を実現し、迫力のあるマクロ撮影が可能です。花や虫など小さな被写体を撮影する方にもおすすめです。前述のテレコン「XF2X TC WR」装着時では、最大撮影倍率0.66倍(35mm判換算:約等倍相当)を実現します。

静音AF・レンズ内手ブレ補正も搭載


 本レンズには最大5.5段分のレンズ内手ブレ補正機能があり、LM性能も相まって、驚愕の静音性とブレの少ないAFが実現できます。実は私がレビュー撮影していく中で、マクロや長距離撮影ができることよりも驚かされたのがこのAF性能です。X-T3との組み合わせで驚きを感じたため、X-T4やX-S10などのボディ内手ブレ補正が備わっている機種との掛け合わせはもっと素晴らしいものになると感じました。この安心感あるAFがあれば飛行機や野鳥など、通常のレンズではブレが気になる動く被写体もバッチリ撮影できることと思います。

作例


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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離300mm

 望遠側を使用すれば、今までは諦めていた遠くの被写体が撮れるようになります。

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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR
■撮影環境:ISO160 SS1/160 F11 焦点距離600mm

 複数咲いていた菜の花の中で飛び抜けていた一輪を撮影。風に揺られる花を、ブレなく狙い撃ちができるのはこのレンズならでは。

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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR+XF2X TC WR
■撮影環境:ISO160 SS1/160 F14 焦点距離462mm

 前述しました通り、全ズーム域35mm判換算でハーフマクロに値する撮影倍率での撮影が可能。さらに遠影を背景にすることで一味違ったぼかしを入れることができます。

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■使用機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離206mm

 圧縮効果は望遠レンズならでは。日常の一場面をドラマチックに仕上げることができます。

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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5 焦点距離146mm
■モデル:犬飼紀香

 橋の対岸からポートレート撮影をしてみました。人肌やサイド光などはっきりと写し止めてくれることで、新たな画が撮影できます。

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■撮影機材:富士フイルム X-T3+XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
■撮影環境:ISO160 SS1/1000 F5.6 焦点距離300mm
■モデル:犬飼紀香

 レンズ内手ブレ補正の恩恵もあり、スポーツや運動会など遠くの人物を写すのに最高のレンズです。

XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISとの比較


 本レンズの魅力を伝えたところで、同じ富士フイルムのレンズ群のなかにある既存製品との比較をしてみます。今回はかなりスペックの似ているXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISと比べてみました。

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左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS

 筐体はほんの数センチXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRの方が長いですが、焦点距離の違いを鑑みるとこれだけコンパクトなサイズに収まっていることに驚かされます。ズームロックスイッチやOISのON/OFFレバーの有無などスイッチ部分にも違いが見られますね。

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左:XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 右:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS

 レンズ径はXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRがØ67、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISがØ62と、やや前者のほうが大きい作りになっています

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主な仕様 | フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用

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主な仕様 | フジノンレンズ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS | Lenses | 富士フイルム Xシリーズより引用

 また、ややニッチな話になってきますがレンズ構成が異なります。スーパーEDレンズの採用可否やレンズの枚数など、どちらも発売時点で実現可能なこだわりを詰め込んだレンズ群であると言えます。

 加えて性能面での大きな違いは、前述したWRがついているか否かといった部分になるかと思います。砂埃舞う運動会での撮影や、小雨の滴る場所での野鳥撮影などあらゆるシーンで活躍してくれるのはXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR。お手頃・コンパクトで気軽に望遠撮影に挑戦するならXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISといったところでしょうか。

 購入を迷われた際は、ぜひお近くのカメラのキタムラで相談してみて下さい。

さいごに


 その名の通り、富士フイルムのレンズ性能を余すことなく注ぎ込んだ本レンズは、人物撮影からマクロ撮影まで幅広い撮影シーンで活躍してくれます。

・お子さんの運動会で手ブレしたくない!
・登山を伴う野鳥撮影に軽量機材で挑戦してみたい!
・標準ズームや単焦点だと撮ることのできない新しい画作りをしてみたい!
そんな方がいらっしゃれば、ぜひ一度本レンズを触ってみて下さい。



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