ソニー α1 レビュー(前編:野鳥・ポートレート)|葛原よしひろ

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はじめに


 今回はSONYより発売されました、フルサイズミラーレス一眼αシリーズのフラッグシップとなりますα1のレビューをさせて頂きます。α1はSONYが満を持して送り出したフラッグシップ機だけの事は有り、あえて一言で言わせて頂くとすれば「高性能機能全部入りと呼べるカメラ」です。

 あまりにも、お伝えしたい事が多すぎるので今回は前編と後編に分けた全2回でレビューさせて頂きます。前半は主に滋賀県高島市でのコハクチョウ撮影と、名古屋港でのポートレート撮影の作例を使用してα1の特性についてレビューさせて頂きます。
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■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO100 SS1/2000 F5.6


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■使用機材:SONY α1+FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8

α1のブラックアウトフリー超高速シャッターについて


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■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6

 先ずはブラックアウトフリー秒間30コマ超高速シャッターです。α9シリーズの2400万画素で秒間20コマでも凄いと思っていましたが、一挙に秒間30コマ、しかも5000万画素での連写が実現できたのですから凄い進歩ですね。

 私は地元の滋賀県高島市に越冬飛来に訪れるコハクチョウを毎年撮影しているのですが、α9で初めて秒間20コマ撮影が可能になった時も、本当に凄いと思いました。しかし、今回のα1の秒間30コマでの撮影もその時と同じ位の衝撃を受けました。

 大きく違いを感じた事は、白鳥の羽ばたく間のカット数が明らかに増えた事です。具体的には、飛び立とうとするコハクチョウが一羽ばたきする間にα9だと平均5コマ撮影出来たのですが、α1だと8コマ撮影可能になりましたので、この差は本当に大きく感じました。

 しかも、全てジャスピンな点に脱帽しました。1秒間に撮影する枚数が増えたにも関わらず、この正確で素早いAFの合焦ができる理由は、位相差759点コントラスト425点の多大なAF測距ポイント数に加え、一秒間に120回の演算技術によるところが大きく影響しています。
ブラックアウトフリー連射
■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO400 SS1/1600 F5.6

 この連写作例は撮って出しの無加工ですが、5000万画素になったことでトリミングがしやすくなっている点も嬉しいですね。これはα1に限った事では無いのですが、現在発売中のミラーレスαシリーズの殆どがサイレントで無音撮影が可能な点も、野鳥撮影には欠かせないポイントになります。レフ機だとミラー作音のせいで野鳥が怖がって逃げることや、飛び立ってしまう事が多いので、撮影以外に野鳥観察される方たちの迷惑にもなりますし、鳥たちへの迷惑という観点からも必要不可欠な機能だと思います。

 さらに付け加えると、サイレントと記載されていても動作音の大きなカメラが多く存在しますので、購入の際は要注意で確かめて下さい。勿論現在発売中のαはその様な心配が殆どないので、安心してサイレント設定を使用出来ます。

 私自身の体験ですがミラーレスαのサイレント撮影に変更してから野鳥の警戒心が少なくなったので、以前より撮影中に野鳥が離れたり逃げたりしなくなり、近くで撮影することが可能になりました。これは凄く助かりますし、鳥たちが安心している証拠でも有ると思いますので嬉しいですね。

α1の野鳥AFについて解説


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■使用機材:SONY α1+FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconvertor
■撮影環境:ISO320 SS1/1600 F5.6

 次は、せっかくコハクチョウの作例なので新機能の鳥瞳AFのお話です。人物が対象の瞳AFは、現在かなり激しく動き回る人物の瞳に合焦出来るレベルに到達しており、しかも右目と左目を選べるように進化し続け、私も本当に頼りにしている機能となっています。

 また、少し前の機種から動物瞳AFが搭載された事により、走り回るワンコの撮影が多い私には凄く有難い機能で嬉しかったのですが、とうとう今回は鳥瞳AFが搭載されました。鳥撮影ファンには待望の機能なのですが、実際撮影に使用してみるとコハクチョウの瞳が見えている状況だと殆ど反応し続けてくれましたので、実用レベルとしては充分だと感じました。今後、色々な鳥で試してみたいです。


 こちらはコハクチョウが飛び立とうとする瞬間を8K30fpsにて撮影した動画になります。水面から飛び立とうと浮き上がる瞬間を8K高解像の動画で見ると、羽根の様子や水しぶきが美しいですね。

α1のポートレート撮影について


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■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8
(左から、中山知紗、湊谷アドリン、安藤美樹、京谷果林、森江由衣)

 次にポートレート撮影についてです。今回のモデルさんには、世界最大規模のミスコンテスト、ミスグランドインターナショナル日本大会歴代のファイナリストの方々に御協力頂きました。

 この写真の撮影にはα1の機能の中でも先進的な機能である、超高速1/400シンクロを使用しております。従来の高速シンクロ同調スピードは1/250まででしたが、α1ではフルサイズでメカシャッター使用時同調速度1/400、APS-Cクロップ時は同調速度1/500シンクロを搭載(フルサイズ、電子シャッター使用時は同調速度1/200)しており、今まで以上にフラッシュ撮影の幅が広がりました。この作例は名古屋港でアルファロメオ4Cとダイハツ コペンの前で躍動感を出す為に、モデルさん達に髪を手で掻き揚げて頂いた瞬間を撮影しました。

 私自身1/400シンクロでのフラッシュ撮影は初めてなのでどの様に写るのかとても楽しみだったのですが、跳ね上げた髪がある程度静止するところをイメージして狙っていたのですが、それ以上に髪を跳ね上げた手が指先まで五人全員シャープに静止しており、狙った以上の躍動感が出て凄く嬉しくなりました。
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■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8



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■使用機材:SONY α1+ FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:ISO100 SS1/400 F8

 撮影していて気付いた点なのですが、発色の良さが素晴らしいと感じました。

 この2枚を撮影した時には日が傾き始めており、複雑な淡い空の色と真っ赤なアルファロメオ4Cとモデルさん達の肌の色という、超難関な再現性を求められる状況だったのですが、結果として何の心配も必要なかったと言えるほどα1のダイナミックレンジの広さと発色の良さにより、鮮やかな原色から淡いトーンまでを美しく再現してくれました。勿論ボディだけでは無く、信頼の置ける純正FE 85mm F1.4 GMのレンズ性能も一役買っているわけで有ります。

 もう一つ感じた部分ですが、ここまで撮影していてα1のファインダーの美しさと滑らかさには驚きました。この944万ドット249fpsのEVFは、私の覗いたことの有るカメラ史上、過去最高にクリアなファインダーでした。そのため、ブラックアウトフリーでの連写時でも、夕暮れ時のモデル撮影においても本当に見易く、白鳥の細かな動きも複数のモデルさんたちの表情も、シャッターチャンスを逃さず撮影することが容易に出来ました。

さいごに


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 これで前編は終了ですが、後半は主に高画素の5000万画素、高感度撮影、電子シャッター使用時のローリング歪軽減、1/32000秒高速シャッター、4K120fps動画について他、作例を交えながらレビューさせて頂きますので楽しみにお待ちいただければと思います。

■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。大阪芸術大学写真学科卒、滋賀県高島市公認フォトアドバイザー、JPS(日本写真家協会)正会員

「α1」はこちらの記事でも紹介されています


■ソニー α1 レビュー(後編:風景・ステージ撮影)|葛原よしひろ
https://shasha.kitamura.jp/article/480649337.html

■ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三)
https://shasha.kitamura.jp/article/480653303.html

■ソニーストア銀座での取材記事
ソニー フルサイズミラーレス α1|新次元フラグシップモデルが登場!
https://shasha.kitamura.jp/article/479818915.html

特集ページ


 α1特集ページでは、他製品とのスペック比較や同製品に合う人気アクセサリーなども紹介しています。ぜひコチラの特集ページも合わせてご覧ください。

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