ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSレビュー|幅広い守備範囲の超望遠レンズ

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はじめに


桜が散り、ハナミズキが満開。
ウグイスが軽やかに鳴いている。
春がぐぐぐと深まっている。
カメラを持って深まる春を撮りに行こう。

単焦点レンズ、マクロレンズ、そして、超望遠レンズ。
季節を撮るのにもいろいろなレンズを選ぶ。
今日は、そのレンズの中でも、超望遠レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSについてご紹介したい。

高い設計基準を満たす新規光学設計により生み出されたSONYソニー G MasterレンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS。妥協のない光学設計と高速・高精度なAF駆動によりシャープな描写を実現。質量約1,395g(三脚座除く)、外形寸法(最大径x長さ)93.9 x 205mm、防塵・防滴に配慮した設計が施されている。

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鳥や蝶を撮る


FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSで動く被写体を追う。その中で強く思うのは、AFの爽快さ。リアルタイムトラッキング機能で動く被写体を連写していると、ビュンビュンと被写体を追いかけ、ピントが外れてからもピントが戻って来る速さの気持ち良さは快感。フォーカス駆動のダイレクトドライブSSM(DDSSM)(前側)とダブルリニアモーター(後側)を採用しているため、高精度かつ静粛なフォーカスレンズ駆動、高速性・追随性に優れたAFを実現している。

冬。まゆみの木の実の種を食べにやってくるメジロ。
ぴょんぴょん動きまわる鳥も爽快なAFにより快適に撮影できる。

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■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600

勢いよく飛ぶウミネコ。港にて。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF6.3 ISO1600

港にて。オオバン。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF5.6 ISO800

フジバカマの花の蜜を吸うアサギマダラ。

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■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO800

ヒヨドリ。桜の花の中で。

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■撮影機材:SONYα7C / FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF5.6 ISO100


ボタンを有効に使って自分らしく撮影


レンズのサイドには、様々なボタンが配置されている。

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上から、フォーカスモードスイッチ。オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えができる。二番目は、フォーカスレンジリミッター。あらかじめ合焦する範囲を限定し、迅速なフォーカシングを可能にする。例えば、遠くで飛ぶ鳥などを撮影する場合は∞-3mに設定しておくと、センサーから3mの範囲にはピントが来ないので便利。三番目は、手振れ補正スイッチ。オンにすれば手振れ補正が効く。一番下は、手ブレ補正モードスイッチ。躍動感溢れる流し撮りを撮る時はMODE2が便利。また、ズームリングとフォーカスリングの間にある白くて円形のフォーカスホールドボタンは、コンティニュアスAF時でもボタンを押すことによりピント位置を固定できる。フォーカスホールドボタンはボディでのカスタマイズにより、好みの機能を割り当てることが可能。

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反対側には、ズーム操作感調整リングの表示が記載されている。調整リングを回転させることで、ズームリングを動かすときの回転トルクを調整することができる。ズームを素早く移動させたいときはSMOOTH、不意な動作でズーム位置が変わらないようにしたいときはTIGHT側に回転させる。撮影シーンに合わせて、選ぶことが出来るのは便利だ。

お花をトロトロに撮る


超望遠レンズと聞いて真っ先に想像する被写体は、先にお見せしたような動く被写体たちだろう。でも、このレンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSを、ぜひお花の撮影に使うカメラとしても選んで欲しい。一般的にお花を撮る時に使うレンズとして思い浮かぶのはマクロレンズや明るい単焦点レンズだろう。でも、この100-400mm F4.5-5.6 GM OS、驚くほど美しいボケを作り出し、とろけるような柔らかいお花の写真を撮ることができる。

まずは、そのとろけるような柔らかい表現を見て欲しい。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF5.6 ISO100

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.6 ISO400

13_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1250秒 絞りF5.6 ISO1600

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO1600

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO800

17_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2000秒 絞りF5.6 ISO1600

最大望遠400mm側、背景がギュッと圧縮されとろりとぼけているその写真たちは、まるで水彩画で描いたような世界。前ボケの被写体が柔らかいベールのように全体を覆っているような撮影ができる。まるでカラーフィルターをかけたような柔らかい色の重なり。この優しい色の重なり方は超望遠レンズならではだ。被写体のお花は遠いので、人間の目ではもちろんこんな世界で見ることはできない。カメラとレンズが描き出す世界。超望遠Gマスターレンズならではの圧倒的なボケ描写で優しいお花の楽園の世界を描くことが出来る。

最短撮影距離で撮影して大胆に


サラサモクレンが咲いていた。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF4.5 ISO100
レンズ焦点距離100mm

最短撮影距離に寄ってみる。
後ろの白いお花が優しくボケた。

19_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF4.5 ISO100
レンズ焦点距離100mm

最大望遠側焦点距離400mm、最短撮影距離で撮影。
後ろの白いお花が薄い雲のようにボケた。

20_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF5.6 ISO100
レンズ焦点距離400mm

撮影者から1mほどの距離にある被写体の背景をトロリとぼかして撮ることができる。先述した遠くの被写体を撮る時に背景をトロリとぼかして撮影できることを考えると、撮影者から広い範囲で柔らかいボケを生む写真を撮ることが出来るということ。柔らかさを描くことができる守備範囲が広い。

景色の背景を圧縮して撮る


景色を撮影する望遠レンズとして使うのも面白い。
超望遠レンズならでは、遠くの景色をギュッと密度濃く圧縮して撮影できる。
真鶴。遠くに連なる家々を密集しているように撮影。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO800

遠くの海を、望遠側で撮影。

22_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/160秒 絞りF5.6 ISO320

23_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/800秒 絞りF5.6 ISO100

住宅地で電線がたくさんあったのだけれど、桜から少し離れて遠くの富士山と合わせて撮影。圧縮することにより、電線を入れずに撮影できた。

キリリとした写真の描写の美しさ


柔らかさだけが美しいわけではない。
もちろん、シャープネスやコントラストが強いキリリと引き締まった写真の描写も美しい。

日中、暗がりの中に雪のように咲く梅林を撮影。

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■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/1600秒 絞りF5.6 ISO100

曇天の日、波を撮影。

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■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/8000秒 絞りF8.0 ISO3200

晴天。輝くお花たちを撮影。

26_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/2500秒 絞りF5.6 ISO1600

夕暮れ。グラデーションに染まる夕焼けの海を背景に木々を撮影。

27_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/100秒 絞りF11 ISO320

冬。野花を撮影。

28_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/500秒 絞りF.6 ISO640

おわりに


筆者は、今まで望遠レンズと言えば70-200mmレンズを使うことが多かった。それで十分撮れると思っていたし、楽しいと思っていた。でも、去年このFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSレンズを購入してから、確実に世界が広がった、そう思っている。撮れる被写体の幅が一気に広がった。自然の中で野鳥を撮影していて「撮りたい」が撮れる嬉しさに包まれ、お花を撮っていて今までの中望遠レンズや単焦点レンズとは「一味違うお花の写真が撮れているな」と実感しながらシャッターを切っている。毎年撮影していてちょっとマンネリ化してきたように思うような被写体の撮影も、新鮮な気持ちで被写体に向き合える。だからものすごく楽しい。そして、何よりもこのレンズの描写力の美しさにいつもハッとさせられる。再生ボタンを押して確認していると、ゾクゾクすることが多々ある。被写体とそして、その背景のボケの美しさに見惚れてしまうことも多い。たった今、自分で撮ったというのに。

約60本あるソニーのレンズ群の中からこのレンズにたどり着くまでは、きっと長い時間がかかるだろうし、たくさんのレンズを経験してから購入するレンズなのではないかと思う。でも、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSレンズの魅力を知ってしまうと、もうこのレンズがないカメラライフという選択肢は、私には、ない。考えられない。そのくらい、仕事に作品撮りに、活躍するレンズとして私の中に存在している。

まだ体験したことのない方は、ぜひ一度この魔力のようなレンズ力を試してほしい。

29_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7R IV/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/320秒 絞りF5.6 ISO100

30_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/250秒 絞りF8.0 ISO1800

31_作例.JPG
■撮影機材:SONYα7C/ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OS
■撮影環境:SS 1/200秒 絞りF5.6 ISO1000


■写真家:山本まりこ
写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。



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