タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD レビュー|葛原よしひろ

150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD019.jpg

はじめに


TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD001.jpg

 今回はTAMRONから発売されました、SONYフルサイズEマウント用の新しい超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」をレビューさせて戴きます。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD002.jpg
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/9 1/1600秒 ISO-3200 露出-1 焦点距離 500mm

 焦点距離150-500mmということで、田植え直後の滋賀県高島市でサギの撮影をしてみました。まずはα9に装着してみたのですが、超望遠500mmズームとしては比較的に小型軽量化が達成されており、手持ち撮影も可能なのでフットワークが軽く田んぼから飛び立つ瞬間のアオサギを軽快に撮影することが出来ました。

連写1.jpg連写2.jpg連写3.jpgDSC08235.JPG
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/9 1/1600秒 ISO-3200 露出-1  焦点距離500mm

 AF性能も良く、α9の連写モードで動体撮影用のAF-C設定での撮影では、飛んでいるサギの着陸シーンを捉え続けてくれました。その辺りは搭載されているVXDリニアモーターフォーカス機構の速さと動作制御技術の素晴らしさを感じました。

ズーム性能


 せっかくのズームレンズなので広角端150mmから望遠端500mmまでの画角の違いを見比べる為に、びわ湖に浮かぶ竹生島を撮影しました。150mmと500mmの時では構図の中で島の大きさが変わるのは勿論なのですが、島の形そのものは全体を通じて歪むような事はなく、ズーム全域で各収差が良く抑えられているので、動体撮影だけで無く風景撮影にも使いやすいレンズですね。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例004-150mm.jpg
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO-200 焦点距離150mm

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例005-200mm.jpg
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5 1/160秒 ISO-200 焦点距離204mm

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例006-350mm.jpg
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/5.6 1/160秒 ISO-200 焦点距離346mm

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例007-500mm.jpg
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/160秒 ISO-200 焦点距離500mm

動画撮影にも対応




 次は収穫前の麦畑を4K動画撮影してみました。まず動作音が静かなのは嬉しいですね。この撮影では焦点距離150mmから始めて途中で望遠端500mmまでズーミングしているのですが、ズームリングの回転角度が75度に抑えられている事と本体の最大径が93mmと超望遠ズームとしてはかなり細いので凄くズーミングしやすい印象です。動画撮影においてはこういった部分の操作性の良さは本当に大切であり、動画撮影での使用をかなり真剣に考えて制作されている事が感じられました。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例008.JPG
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-800 焦点距離500mm

 最短撮影可能距離が短くて被写体に寄れる所は、このレンズを使用していて凄く気に入った点の一つです。150mmでは0.6m、500mmでは1.8mまで寄れますので表現の幅が広がります。この写真は500mmで撮影しているのですが、出来る限り被写体に寄ることでピントを合わせた麦だけをシャープに描写して浮き立たせることにより、立体感を演出することが可能になります。



 動画撮影が気持ち良く撮影出来るレンズなので、今度は手持ちでの動画撮影をしてみました。田んぼでサギが餌を探している様子を撮影したのですが、手持ちの超望遠ズーム4K動画撮影の割にブレも気になり難く、レンズ本体に装備されている手振れ補正機能のVCがかなり強力であることが実感できました。静止画でも感じていたAFの動体追従性も、動画撮影時においても抜群の性能を発揮してくれるので本当に撮影しやすく、このレンズだと気軽に超望遠4K動画撮影を楽しむことが可能です。

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDの作例009.jpg
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/200秒 ISO-100 焦点距離500mm

圧巻の発色と滑らかなボケ味


 ボケ味がとても柔らかく滑らかで発色も美しくコントラストが高いレンズなので、積極的に新緑や木漏れ日を構図に取り入れたくなりメタセコイア並木を撮影してみました。イメージ通りの明るく優しい雰囲気を描いてくれたのでとても嬉しいです。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例010.jpg
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO-2500 焦点距離500mm

 前ボケも良い雰囲気でとろけるので積極的に使いたくなり、前ボケ構図の撮影ポイントを探してシロサギを撮影。

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■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-1000 焦点距離500mm

 びわ湖に流れ込む河口の湿地帯と、そこに群れるサギを撮影したのだが500mmの圧縮効果で10km以上離れた対岸が近くに見えます。

バランスに優れた操作性


 今回、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDを使用してみて強く印象に残った事は、レスポンスの良さと取り回しの良さでした。サイズ(長さ209.6mm、最大径93mm、フィルター径82mm)と重量(1725g)は手持ち撮影において一般的にはギリギリのラインだと思いますが、それを補うAF性能やレスポンスの良さで超望遠手持ち撮影を容易に可能にしており、トータルバランスにおいて完成度の高いレンズに仕上がっていると思いました。上記で触れた以外にも機能的に充実しており、例えばズームリングを前後にスライドさせてロックするフレックスズームロック機構は、任意の焦点距離で容易にロック可能で撮影時に凄く便利な機能でした。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD012 (150mm).jpg
■150mm

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD013(500mm).jpg
■500mm


 本体側面の物理スイッチも多数装備しておりフォーカスレンジリミッター、手振れ補正VCのON/OFF、VCモードの設定切替、AF/MF切替がワンタッチで出来るのでとても便利でした。


TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD015ロックON.jpg
■ロックON

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD014ロックOFF.jpg
■ロックOFF

さいごに


 16群25枚のレンズ構成の中に複合非球面レンズや特殊硝材XLD及びLDレンズを盛り込むことで、色収差を抑えたクリアな写りを実現しています。さらにその他にも逆光耐性に優れたBBAR-G2コーティング、アルカスイス対応三脚座、簡易防滴構造及びレンズ最前面に防汚コート等最先端の機能を盛り込んでおり、あらゆる撮影シーンに対して安心して使用出来るレンズでした。

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXD016.jpg
TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例017.jpg
■使用機材:SONY α9+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/8 1/2000秒 ISO-4000 露出-1.3 焦点距離500mm

TAMRON 150-500F5-6.7DiⅢ VC VXDの作例018.JPG
■使用機材:SONY α7R IV+TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
■撮影環境:f/6.7 1/1250秒 ISO-500 露出-0.3 焦点距離500mm


■写真家:葛原よしひろ
ジャンルに捉われず何でも撮影するマルチプレイヤースタイルの写真家。カメラメーカー等の写真セミナー講師としても全国的に活動している。
大阪芸術大学写真学科卒/滋賀県高島市公認フォトアドバイザー
JPS(日本写真家協会)正会員




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