キヤノン EOS R3の続報!早く全容が知りたい!!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー

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はじめに


 キヤノンは2021年6月2日に開発発表されていたフルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」のスペックについて続報をリリースしました。ベールに包まれていた最新鋭のスペックが徐々にお目見えしてきた事で、ワクワクされている方も多いのではないでしょうか。

 2021年4月14日に「EOS R3」がはじめて開発発表された時に続き、今回もEOS学園の講師であり野生動物を撮影されている写真家の井村淳さんにEOS R3の続報についてインタビューしました。普段からEOS-1D X Mark IIIとEOS R5で撮影されて両機種を知る井村さんが、キヤノンホームページで公開された「EOS R3」の続報から、本機へ期待する事やそれらが動物撮影においてどのような効果をもたらして欲しいかなど、楽しみながらお話しをお伺いさせて頂きました。

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動物写真家の井村淳さん


前回の記事「キヤノン EOS R3の正式発表が待ち遠しい!|動物写真家の井村淳さんへインタビュー」はこちらからご覧いただけますので、是非合わせてご覧ください。
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外観・操作



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― 外観や操作性に関するアップデートがありましたが気になったところはありますか?

 今回の発表で新たに見えてきた外観の画像を見て、特に裏面のボタン配置を見た時に一見するとEOS-1D X Mark IIIと同じかな?と思いあまり進化を感じませんでした。ひょっとすると最近このご時世で撮影の機会が減っていてボタン配置を忘れてしまった事が原因かもしれないと思い、私がメインで使っているカメラ2台(EOS-1D X Mark IIIとEOS R5)を持ってきて見比べてみました。そうすると両機のいいところを搭載していることに気がつきました。

 マルチコントローラーは両機共に搭載されており、素早く動く被写体に的確にフォーカスを合わせる事が出来るので私にとって無くてはならないコントローラーです。3つ目の電子ダイヤルが増えたことはとてもありがたいです。EOS R5で使い慣れているダイヤルですが、撮影モードをマニュアルにした時に露出補正をするダイヤルとして使えるのは嬉しいですね。そしてEOS-1D X Mark IIIで使い慣れているスマートコントローラーも搭載されています。このボタンの上で指を滑らせフォーカスを移動させながらボタンを押し込む事でAFを合わせ続ける事ができる優れもののコントローラーです。

 何より意外に感じて、最も嬉しかったのはバリアングルモニターが搭載されたことでした。一眼レフの時から、上位機種はバリアングルにしないものだと勝手に思い込んでいましたので、驚きでもありました。動物の撮影では低いアングルを使うことも多いので、これは、かなり助かります。

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連写・AF


― 前回の発表でも30コマ/秒でAF/AE追従撮影が可能とされていましたが、今回の発表では、RAW撮影でも高速連続撮影を謳っています

 RAWで撮影できるということは、設定上では最低限のことをするだけで撮影に集中することができます。安心して撮影に挑めます。

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― AF低輝度限界 EV-7.0以上になるようです

 暗いところでの撮影は、風景でもよくありますが、野生動物の撮影でも頻繁に行います。その時、なかなかピントが合わないとチャンスを逃します。発表ではワンショットAFに設定する必要があるようですが、AIサーボでの AF性能も向上していることを期待します。

 カメラがミラーレス一眼になって暗い場面でもファインダーを覗くと明るく見ることができます。そのおかげでマニュアルフォーカスでの合焦が楽にできますが、そのシチュエーションでのAF性能には少し不満を感じることもありました。今回のEV-7.0の低輝度合焦限界という進歩でさらなる期待が膨らみます。

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― 人物の頭部・瞳の検出機能の向上に加えて、今回の続報で人物・動物に加えて、モータースポーツ(車・バイク)でも認識可能というアナウンスがありました

 今回のアップデート情報ではまだ分からない事もありますが、画面内で動くものなら概ね追尾してくれるという理解でいいのでしょうか。頭部や瞳という部分が無い、またはわかりにくい被写体でもその動きをフォローしてくれるのであれば、動き回る動物も頭部や瞳を検知しなくてもうしろ姿や飛んでいく鳥、シャチの背ビレなどの追従も期待できます。

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手ブレ補正


― レンズ内光学式手ブレ補正機構とボディ内5軸手ブレ補正機構との協調制御により世界最高の約8段の手ブレ補正効果があるようです

 この前にも述べましたが、野生動物の撮影では暗い時間帯や、暗い場所での撮影が多く、風景写真のように必ずしも三脚が使えなかったり、人物ポートレートのように照明を使うことがほとんどできない環境です。そのような場面で手持ち撮影の必須条件は手ブレ補正機構となります。良い写真の条件に少しでもシャープであることと常に思っている私にはカメラブレは天敵です。それをサポートしてくれる手ブレ補正機構の進化に感激しています。

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動画


― 4K Canon Log 3に対応、4K オーバーサンプリングの実現、RAW動画内部記録も出来るようになるようです

 動画はあまり詳しくありませんが、実際に録ってみて、その映像美や機能を確認したいと思います。動画が8Kではない事から画素数は控えめで、EOS R5のような4,500万画素ではないと想像します。EOS-1D X Mark IIIでの2,010万画素でも4K動画可能ですね。願わくば3,000万画素以上を期待しています。

― 動画撮影中に人物・動物・モータースポーツの被写体追尾が可能なようです

 動画撮影ではAFが動く被写体をスムーズに追尾してくれることが求められるでしょう。モータースポーツのように障害物が少なく、動きもある程度規則的であればスムーズに追えても、野生動物では、茂みや草などが被写体の前を横切ったりするので、いちいちAFが迷わないようになっているといいと思います。これまではそういう場合はマニュアルフォーカスを使わざるを得なかったので。

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その他優れた機能


― CFexpress・SDカード両メディアに対応

 この部分はもう少し詳しく知りたいところでした。CFexpressとSDカードの両メディアに対応ということで、CFexpressが使えることは素直に良かったと思います。しかし、SDカードとのデュアルスロットで2枚同時に使えるのか、コンパチのシングルスロットでどちらかを使えるのか、コンパチのダブルスロットでCFexpress2枚またはSDカードを2枚または両種を1枚ずつを選択できるのか。シングルスロットではないことだけは願っています。

― マグネシウム合金採用ボディー

 ボディは頑丈なほど信頼性が上がります。頑丈で軽いマグネシウム合金は上位機種ならではの素材で間違いない信頼性を感じます。

― バッテリーパックLP-E19 を採用

 EOS-1D X Mark IIIと同型ということでフラッグシップにかなり近づけた設計なのでしょうか。ユーザー的にはバッテーリーが現行のものと同じ型はありがたいです。

― データ通信や電源供給が可能な新アクセサリーシュー搭載(新しいアクセサリーにも対応予定)

 今のところ、私の撮影する被写体では、電源供給を受けながらの撮影や、データを飛ばしてといったそこまでの急ぎの撮影は無いですが、撮った画像をすぐにチェックするスタジオ撮影や、スポーツイベントなどの速報性のある撮影をする場合には重宝すると思います。

 アクセサリシューで電源供給を受ける機能でカメラ内のバッテリーの充電もできるならチャージャーがいらなくなり嬉しいですね。

更なる要望・現行機との使い分け


― 今回リリースされた部分以外でこんな機能が備わっていて欲しいなどの要望はありますか?

 今のところリリースされている以上に期待する機能は思い当たりません。それだけ完成形に近いのかもしれません。あとは今ある機能の精度がどこまで向上するか楽しみにしています。凄く細かいところでは、EOS R3に限らず前々からの願望ですが、撮影したデータをパソコンを使わずに外付けHDDの様な大容量のストレージに高速でコピーできたり、再生画像で撮影時の焦点距離を確認できる様になると嬉しいです。

― EOS R3はEOS-1D X Mark IIIやEOS R5とどのように使分けが出来そうですか?

 これは、正直言って不明です。風景を撮るときは画素数や画質を考えておそらく間違いなくEOS R5です。機動力が必要な野生動物撮影では、1年前までは間違いなくEOS-1D X Mark IIIでしたが、 EOS R5の登場で出番が変わってきました。EOS R5も十分な機動力があり連写速度や書き込みに関してもそれを上回るので R5の出番が増えています。EOS R3はさらに電子シャッターでの歪みも少なくなればシャッター音を無くせる電子シャッターが野生動物の撮影には有利になり視線入力などの新機能も加わるとEOS-1D X Mark IIIの優位性が何かすぐには思いつきません。EOS R3はフラッグシップ機EOS-1D X Mark IIIを超えてしまうのでしょうか。早く全容が知りたいです!

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■キヤノン EOS R3特設サイト
https://cweb.canon.jp/eos/your-eos/product/eosr/r3/

■写真家:井村淳
1971年生まれ。横浜市在住。日本写真芸術専門学校卒業後、風景写真家竹内敏信氏の助手を経てフリーになる。「野生」を大きなテーマとして世界の野生動物や日本の自然風景を追う。(社)日本写真家協会(JPS)会員。 EOS学園東京校講師。


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