ソニー α7C × ペット撮影|小川晃代

小川晃代

α7Cで撮影した作例2.jpg

はじめに

 ペット撮影において身軽さはとても重要です。愛犬とのおでかけではただでさえ愛犬用品で荷物がいっぱいになるので、カメラはコンパクトであれば良いに越した事はありません。仰々しいカメラバッグを持つこともなく、いつものバッグにポンっと入るくらいのコンパクトなカメラであれば撮りたい時にさっと取り出しパッと撮れるので便利です。α7Cはそんな使い方にピッタリのサイズ感。フルサイズミラーレスでありながら世界最小・最軽量の約509g。

 とにかくコンパクトに持ち運びたいけど、画質やボケ味もしっかりこだわりたい方には特にお勧めのカメラです。今回はα7Cを持っていろいろと撮影してきました。実際の犬猫撮影でどれだけ活躍するのか見ていただきたいと思います。

撮影前にカスタマイズ

 撮影をする前にまずはペット撮影で使いやすいように少しだけカスタマイズをします。私がよく使う「フォーカスエリア」や「フォーカスモード」、「APS-C/フルサイズの切り替え」、「ホワイトバランス」はボタン操作ですぐに設定出来るようにカスタムキーに設定をします。頻繁ではないけれど、たまに使いそうな項目はファンクションメニューに入れておきます。私の場合、「サイレント撮影」、「フリッカーレス撮影」、「検出対象」をファンクションメニューに追加しました。

35mmレンズで撮る

 身軽にレンズを1本だけつけて撮影に行くなら35mmの単焦点レンズ。α7Cと35mmレンズとの組み合わせはコンパクトだからどこに持ち歩いても苦になりません。普段のお散歩撮影から家の中での撮影まで幅広く使え、何よりもこのボケ感がたまりませんね。

 写真は私がよく行く猫カフェMONTAさんでの1枚。くつろいでいるにゃんこにぐっとよって撮影しました。α7C+35mmレンズはコンパクトなので、にゃんこに威圧感を与える事なく自然な姿を写し取る事が出来ます。

α7Cで撮影した作例1.jpg
■撮影機材:SONY α7C+Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 焦点距離35mm 1/250秒 ISO-800

フルサイズならではの解像感

 こちらの写真は片手持ち撮影で撮った写真。右手にカメラ、左手に猫じゃらしを持ってあやしながら撮影しました。子猫の澄んだ瞳を強調したかったのでカメラ目線になるように猫じゃらしで誘導して撮っています。光量が不足しがちな室内撮影でも35mmレンズとの組み合わせでこんなにキレイ!

 室内で速いシャッター速度を出そうと思うとISO感度を上げる事になりますが、α7Cはフルサイズなので躊躇せずに高感度で撮れるのがうれしいです。ISO4000まであげて撮っても瞳の輝きは見たままの美しさ。吸い込まれてしまいそうな猫の瞳がリアルな色で再現できています。

α7Cで撮影した作例2.jpg
■撮影機材:SONY α7C+Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.6 焦点距離35mm 1/1600秒 ISO-4000

α7Cと70-200mmの組み合わせ

 屋外では主に85mmと70-200mmレンズを使用しています。お花畑でのペット撮影ではペットの表情だけでなく花の美しさや背景のボケ味が相まって被写体を引き立たせてくれます。なるべく花がキレイに咲いている場所を選んだ後は望遠レンズの圧縮効果で花の密集感を表現します。

 屋外の撮影では太陽が出たり雲に隠れたりと明るさがころころと変わる時があります。そんな時はMモードでISOはオートに設定して撮ると、明るさの心配をせずに撮影に集中出来るのでおすすめです。その時々で斜光で撮ったり逆光で撮ったりするので露出補正も重要。α7Cは独立した露出補正ダイヤルがついているのですばやく露出補正が出来るもうれしいです。

α7Cで撮影した作例3.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離174mm 1/2000秒 ISO-500

 下記は85mmで撮影した1枚。70-200mmの背景をぐっと引き寄せた絵とはまた違って広い景色を入れ込みながら且つこのボケ感。

α7Cで撮影した作例4.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 85mm F1.4 GM
■撮影環境:f1.4 焦点距離85mm 1/3200秒 ISO-200

動きシーンで使えるトラッキングAF

 動いたり遊んだりするシーンを撮るなら迷わず70-200mmレンズ。ペットから少し離れた所からカメラを構え、ペットの動きに合わせてレンズを振って撮影します。動き回るペットを撮る時のシャッター速度は1/1000秒以上に設定し、AFエリアはトラッキングAFを使うと撮りやすいです。

 トラッキングは被写体を追尾してフォーカスを合わせ続けてくれる機能です。画面タッチかフォーカスエリアで指定した位置からトラッキングがスタートします。トラッキングを開始すると被写体が横や後ろを向いてもトラッキングし続けてくれるので不規則な動きシーンを撮る時にとても便利です。

 もう一つ嬉しいのが「押す間トラッキング+AFオン」機能です。普段AF-SでフォーカスエリアをスポットAFで撮っていたとしても、「押す間トラッキング+AFオン」ボタンを押せば、スポットAFで選んでいた位置からトラッキングがスタートします。さっきまで大人しかったわんこが急に元気に走り出した!なんて時にもこれを使えば撮り逃しがなくなります。「押す間トラッキング+AFオン」は初期設定ではAF-ONボタンに割り当てられているので是非使ってみてください。

 写真は海に投げた木の棒を撮りに行くわんこ。こんな激しい動きもトラッキングAFを使えばわんこをずっと追い続けてくれるのでいつでもシャッターチャンスがあります。あとは連写で沢山撮ってお気に入りの1枚を選ぶだけ。連写速度も10コマ/秒だから沢山撮って後から良いフォームの写真を選べます。

α7Cで撮影した作例5.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離83mm 1/4000秒 ISO-640

 水から上がった後はお決まりのブルブル。こんなシーンも水滴の一つ一つまで繊細に写ります。

α7Cで撮影した作例6.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f3.2 焦点距離142mm 1/3200秒 ISO-640

便利なバリアングル液晶

 野良猫撮影でも便利だったのはバリアングル液晶。犬猫撮影ではほとんどの場合、犬や猫の目の位置と同じ高さあたりにカメラを構え撮影をします。そうすると地面ギリギリの位置でカメラを構える事が多くなります。バリアングル液晶があれば無理な体勢をせずに縦位置、横位置写真が撮れるんです。どんな場所でも寝そべって撮影していた昔がとても懐かしく感じますが、このバリアングル液晶の便利さを一度知ってしまうとやめられません。

 地面を少し前ボケにして入れ込みたかったのでカメラは地面に置くような状態にしてバリアングルで撮影しました。

α7Cで撮影した作例7.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f2.8 焦点距離200mm 1/800秒 ISO-250

 野良猫の場合、人に慣れている子と臆病な子と様々な子がいるので、まず猫に出会ったら猫の様子を伺い遠目から撮影をします。野良猫撮影では70-200mmレンズを使いますが、臆病な猫だとあまり近寄れないため200mmでは足りない事が多く、そんなときはAPS-C機能を「入」にし焦点距離を1.5倍にして撮影しています。これが本当に便利!!昔は野良猫撮影時には70-200mmと100-400mmレンズを持っていって途中でレンズ交換していました。これが面倒で手間でしたが、今は70-200mmレンズ1本でフットワーク軽く撮影出来ています。煩わしいレンズ交換をする事もなく、猫を驚かせる事のない距離感で撮影が出来るので嬉しいです。

 街角で出会ったにゃんこ。朝方と夕方は猫たちがよく動いています。見つけたらビックリさせないように遠くからレンズを構えていれば、自然な表情を見せてくれます。

α7Cで撮影した作例8.jpg
■撮影機材:SONY α7C+FE 70-200mm F2.8 GM OSS
■撮影環境:f2.8 焦点距離100mm 1/320秒 ISO-640

まとめ

 今回主に犬猫を撮影してみて思ったのは、α7Cは普段の何気ないシーンから動きシーンまで幅広く使えるカメラだという事。ペット撮影で私がカメラに求める物はAF精度と連写速度です。α7Cは高いフォーカス精度と一度捉えた被写体を見失うことなくカメラまかせでピントを合わせ続けてくれるトラッキング機能、さらには連写速度も10コマ/秒と申し分ないカメラです。コンパクトで手軽にフルサイズの描写力を持ち運ぶ事が出来るカメラでありながらこの性能。ペット撮影でこれからも役に立ってくれるカメラになるでしょう。

■写真家:小川晃代
 トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。2006年に動物に特化した制作会社とペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーン」を設立。現在はカレンダーやカタログ、写真絵本の撮影をはじめ、写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。

ソニー α7Cはこちらの記事でも紹介しています

■ソニー α7C レビュー|一度慣れるとその秀逸さに離れられなくなるカメラ
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■ソニー α7C レビュー|持ち歩きに最適なフルサイズミラーレスを持って小旅行!
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