料理写真をうまく撮るコツとは?サルデーニャ料理でトライ!|山口規子

00_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理.JPG

はじめに


 旅先や自宅で、料理写真を撮った時、「あれ?なんか、美味しそうじゃないなあ」と思った経験はありませんか?今日は料理写真をうまく撮るコツをいくつかお教えします。今回はイタリアのサルデーニャ料理を、料理研究家の山内千夏さんに作っていただきました。

 まずは、サルデーニャ島のことをちょこっとだけ。「サルデーニャ島ってどこ?」サルデーニャ島は地中海に浮かぶイタリア領土の島。面積は四国の1.3倍、地中海で2番目に大きな島です。昔から異国の船が立ち寄り、様々な文化を吸収しながら独自の文化を作り上げ、人々は自分たちのことをサルデーニャ人と言い、料理はサルデーニャ料理と呼びます。またパスタの種類は村の数ほどあると言われており、今回作っていただいたパスタは「マロレドゥス」といい、島でよく食べられている伝統的なパスタ。平かごの網目に生地を押しつけて、コロンと転がし、筋の模様をつけます。この筋にソースがからんでパスタ全体が美味しくなります。

 今日のメニューは「マロレドゥスのサルシッチャソース」「ムール貝のパン粉焼き」、銅鍋で作る「蒸しナス」、祝日のドルチェ「パバッシーニ」。作っている様子も楽しかったので、撮ってみましたよ。

レンズ選びとレフ板


 まずはレンズ選び。近づけるレンズ、マイクロレンズがお勧めです。マイクロレンズを持っていない方は、被写体に寄れる撮影最短距離が短いレンズで、焦点距離は50~100mmぐらいのレンズを使いましょう。また影を薄くするために反射板、リフレクションボード、通称「レフ板」があると便利です。レフ板は手作りでも簡単にできます。A4サイズの厚紙、もしくはA4サイズぐらいの段ボールを2枚用意し、そこにコピー用紙などの白い紙を全面に貼ります。その2枚の1辺をセロテープやガムテープで貼り、本を開くように垂直に立てば出来上がり。被写体側に白い部分を当てます。作るのが面倒な人は、ぜひカメラのキタムラへGO!

 今回はNikon Z 6IIにマイクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」と、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を使用しました。

01_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/8 1/25秒 ISO1000

02_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4 1/50秒 ISO400
絞りを大きく開いてふんわり系に撮影

03_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/16 1/2秒 ISO400
絞りを小さく閉じてカッチリ系に撮影

04_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800

05_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/6.3 1/40秒 ISO800

光の選び方


 自然光が入る窓際がお勧めです。ご自宅の場合は窓際にテーブルを寄せて、窓が自分の右側か左側に来るように立ちます。いわゆる横からの光で撮ります。すると窓がない側に影が落ちるので、そこで先程のレフ板を立てて活用します。窓がない方に置くときに白い紙を貼った部分をお料理にあててください。またレストランなどでは、必ず窓際のテーブル席を希望しましょう。

 窓のないレストランでは、天井を見上げて照明の光源の種類を確認します。電球なのか?蛍光灯なのか?それによってカメラのホワイトバランス(以下WB)の設定を変えてくだい。よくある失敗パターンは、WBが太陽光に設定されたままで、電球の下で撮ると、オレンジっぽく赤くなってしまうパターンです。最近の照明は光源がわからない場合があります。そんな時はWBをいろいろ変えて撮ってみましょう。

06_撮影中お窓とレフ版の位置を説明ひている画像.jpg
窓の位置とレフ板の位置

07_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/4.5 1/80秒 ISO800

08_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/5.6 1/60秒 ISO400

構図の作り方


 構図は一番センスが問われる部分です。お皿など全て入れて写そうとせず、ポイントを自分で決めて、余分な部分は画面から排除します。いわゆる切り取り構図。ポイントはケーキの上にちょこんと乗ったハーブだったり、ラーメンの上の煮卵だったり、自分でポイントを決めることが大事です。そして構図は潔く切り取る、削除法を心がけます。

 また、カメラアングルも構図に大きな影響を与えます。分厚いステーキなどはアングル低めの方が迫力あり、ピザのような平らなものはアングル高めにするなど、料理の高さによって、アングルを変えます。

09_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/5.6 1/50秒 ISO100

10_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/4 1/100秒 ISO5000

11_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/4 1/800秒 ISO5000

12_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影環境:f/3.2 1/320秒 ISO800

最後のアドバイス


13_山口規子さんが撮影したサルデーニャ料理の作例.JPG
■撮影機材:ニコン Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影環境:f/16 1/4秒 ISO800

 私たちプロ写真家の間では「料理は1分で死ぬ」と言われています。それは簡単にいうと「料理は出来立てが命」、だから「素早く撮る」ことです。時間が経つにつれ、刻々と料理も変化します。アイスクリームが解けてきたり、カレーのルーが固まってきたり、味噌汁の具が沈んできたり、ラーメンの上に乗っている海苔がふにゃふにゃになったりします。コツは、

(1)すぐ取れるようにカメラ機能の設定はしておく
(2)F値を決めておく(被写界深度浅めでふんわりと、または被写界深度深めで全カッチリ系など)
(3)お皿の置く場所も決めておく
(4)背景の要らないものは排除しておく
(5)頭の中でその料理をイメージしてカメラアングルもほぼ決めておく
(6)おいたら素早く撮りたいポイントにピントを合わせ、すぐ撮る
(7)余裕があるときは、アングルを高くしたり低くしたり、縦位置横位置も撮って、いろんなバリエーションを撮る。

 そして、一番大事なのは撮るときの気持ちです。「美味しそう!」と思わないとやっぱり「美味しそう!」には撮れないものです。気持ちを大切に~。

 しかしながら、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、ボケが綺麗だし、ピントはシャープだし、手ブレ補正機能も付いているし、めちゃくちゃいいレンズ!これは、買いですね!


■料理協力:山内千夏(やまのうちちなつ)
料理家。イタリアへ料理留学後、神奈川県にてイタリア家庭料理教室を主宰。イタリアのマンマが愛情たっぷりに作る滋味あふれる料理を探求している。

■写真家:山口規子(やまぐちのりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事。


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