【フィルムカメラ】ペンタックスフイルムカメラの最高峰・フラッグシップ機「PENTAX LX」

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はじめに


 コロナ禍の昨今、仕事の仕方や行動パターンもいろいろと変化がおき、人生の楽しみ方も変化してきました。筆者も昨年あたりから「高校生・大学生~新人社会人時代に楽しんだものをもう一度楽しんでみよう」と思うようになり、新たに始めたのが「バイク」と「オールドレンズ」と「フイルムカメラ」。

 バイクでツーリングをしながら気楽に写真を楽しむ生活を始めました。フイルムカメラを久しぶりに使う前にリハビリも兼ねて、「ミラーレス機+オールドレンズ」でオールドレンズの特長を思い出しながら撮影、その間に実家に保管してあった懐かしのフィルムカメラを持ち出し、ゆっくり時間をかけてメンテナンスをしようと考えていたのですが・・・

 残念ながら、時間の経過は残酷なもので当時使っていたカメラのほとんどは不動状態になっていました。そんな中の一台の思い出深いカメラ「ペンタックス LX」でもう一度撮影したくなり新たに購入してしまいました。今回は「ペンタックス LX」の筆者の思い出とともに、往年の名機の魅力をご紹介いたします。

ペンタックス LXの魅力


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 「ペンタックス LX」が登場したのは1980年6月。ちょうど筆者が中学生の頃で少しカメラに興味を持ち始めたころ。まだその頃は中学生が自分の一眼レフカメラを持つのは夢の世界。当時は確か家にあったコンパクトカメラ「リコーオートハーフ」や「コニカC35(ジャスピンコニカ)」を借りて写真を少し撮っていた頃です。実際に「ペンタックス LX」を手に入れたのは、大学生になった1986年でした。

 その頃なぜ「ペンタックス LX」を購入したのか、明確な記憶は残っていません。高校生の頃は「キヤノンA-1」などを使用して特に不満はなかったのですが、きっと「ペンタックス LX」にしか撮れない世界を求めて、キヤノンからペンタックスに乗り換えたのだと思います。その時の想いを詳しくは思い出せませんが、写真に対して躓いて変化を求めていた時だったと思います。

 少々話がそれてしまったので元に戻しますが、「ペンタックス LX」は1980年に登場してから生産が終了になる2001年まで、約20年も販売されたロングセラー機です。デジタルカメラ時代の今では考えられない長寿ですね。LXゴールド(1981年)、LXチタン(1994年)、LXLIMITED(1995年)、LX2000(2000年)と4種類の限定版も途中発売されたりもしましたが、見た目の違いや構造などほとんど変わらないのも「ペンタックス LX」の魅力の一つです。

 「ペンタックス LX」のLXという名称は、旭光学の60周年をローマ数字の60を意味する「LX」から名称がつけられたと言われています。「ペンタックス LX」が発売された1980年は一眼レフカメラが一番盛り上がった年で、ニコン「F3」、キヤノン「New F-1」などの各社フラッグシップ機が発売され、当時のカメラ雑誌を賑わせていました。

 20年も長く販売されていたカメラなので、以前は中古市場では数も多くあり価格も手頃で安定していましたが、近年のフイルムブームの影響もあり中古市場での数も減少し価格も下がらなくなりました。「ペンタックス LX」をもっているユーザーがなかなか手放さないというのが一番の要因ではないかといわれています。「ペンタックス LX」には、一眼レフカメラらしい風格とデザインの良さからの愛着と、堅牢で使いやすさが備わっているからではないかと思います。                                                                          

ペンタックス LXの基本スペック


 各社のフラッグシップ機の中で「ペンタックス LX」は、防塵防滴でプロ仕様に作られたボディでありながら570gと小型で軽量なのが魅力のポイントです。

 「ペンタックス LX」の基本的なスペックは、

形式

TTL自動露出式35mm一眼レフレックスカメラ

使用フイルム

35mmフイルム

画面サイズ

24mmx36mm

レンズマウント

ペンタックスKマウント

シャッター

チタン幕フォーカルプレーンシャッター

オート   電子式 1/2000125

マニュアル 機械式 1/2000X1/75)・B

      電子式 1/604

ファインダー

ファインダーおよびフォーカシングスクリーン交換式

視野率:縦98%・横95% 倍率:0.9倍(ファインダーFA-1

露出計

IDMシステム、TTL中央重点全面測光

フイルム感度目盛:ASA6~3200

電源

LR44型またはSR44型 2個使用

大きさ・重量

(W)144.5mm x (H)90.5mm x (D)50mm   570g(FA-1付きボディ)



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ボディからFA-1ファインダーを外した状態

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FA-1ファインダーをボディから外して視度調整ができます

 また、中古で「ペンタックス LX」を初めて購入する人でも安心なのが、今現在もリコーイメージング株式会社のホームページで取扱説明書(PDF)がダウンロードできるのも重要なポイントです。この頃のフイルム一眼レフは現在のデジカメとは違い機能は多くないので、取扱説明書が無くてもそれほど迷うことなく使うことができますが、LXの「ファインダーの脱着方法」や「視度の合わせ方」なども掲載されているので、ダウンロードしておくと便利です。

■参考:リコーイメージング株式会社 使用説明書ダウンロードページ
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/manual/others.html

 「ペンタックス LX」の魅力の一つとして、どこでも購入がしやすい電池を使用している点が挙げられます。古いカメラで問題になってくる電池問題。現在販売されていない電池を使用する機種もあったりするので、コンビニでも購入できるLR44型電池が使用できるのはとても便利です。

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LR44型電池を2個使用します

 そして「ペンタックス LX」は電池が無くても撮影できるのが大きな魅力ポイントです。この頃に発売になった多くの一眼レフ機の多くが電子制御式のシャッターを採用していましたが、非常時用に1/75秒や1/90秒などのシャッター速度とBではメカニカルシャッターを採用していました。ところが、「ペンタックス LX」は1/2000秒~1/75秒までのメカニカルシャッターを採用しているので、露出計は作動しませんが電池がない状態でもマニュアルで通常の撮影をすることが可能です。

 「ペンタックス LX」はペンタックスKマウント。しかし、ペンタックスKマウント以前のオールドレンズでは定番のM42マウントを、純正のアダプターを使用することで装着可能になります。ですので、タクマーシリーズM42マウントレンズを使用する事ができるのも大きなポイントです。

 現在もカタログに掲載されている「マウントアダプターK」がそれにあたります。M42マウントのレンズが生産終了になって随分と年月が経過していますが、今現在もカタログに掲載されて扱っているところが素直に凄いと感じます。

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マウントアダプターK

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マウントアダプターKをボディに装着した状態

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マウントアダプターKを使いM42マウントのスーパータクマーを装着

ペンタックス LXで月島・築地をスナップ撮影


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■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF2 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

 久しぶりのフイルムカメラでの撮影。まるで初めてカメラを買った時の様に、ちょっとワクワクしながら撮影してきました。最近のミラーレス機とは違い、カメラ側で設定できる項目は圧倒的に少なく、それ故被写体に集中できる様な気がしました。

 普段のデジタルの撮影スタイルが悪いとは思いませんが、フイルムカメラでゆっくりのんびり撮影するのもたまにはいいものです。何か別の作業をしている気がするくらいの違いが生まれ、充実した時間を感じる事ができました。フイルムで撮影する事は、写真を撮ることの楽しさ・喜びを思い出させてくれた気がします

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■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF8 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

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■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF2 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

ペンタックスLX11.JPG
■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF2 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

ペンタックスLX13.JPG
■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF2 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

ペンタックスLX14.JPG
■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF4 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

ペンタックスLX15.JPG
■撮影機材:ペンタックスLX + RICOH XR RIKENON 50mm F2
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF16 焦点距離50mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ

 実際のフイルムからのプリントはもう少しニュートラルな感じなのですが、フジカラーCDでデジタル化されたフイルムデータは少し違った印象に仕上がっています。若い子はこんな感じでフイルムや「写ルンです」を楽しんでいるのでしょうか。

 上の写真と同じ場所でiPhoneにて撮影したものと比べてみると大きな違いがあり、その写りの違いを楽しむのも面白い感じがします。

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iPhone 12 Pro Maxで撮影

まとめ


 デジタルと違い撮影する時にできる事が限られるフイルム撮影。その分構図や被写体に専念しイメージを膨らませることができます。また、現像しないとその成果は分からないフイルム撮影は、撮影から仕上がりまで時間経過を楽しむことができます。

 フイルムカメラは、忘れていた写真の楽しみ方を少し思い出させてくれました。コロナ禍で仕事のスタイルが変わり、生活のスタイルも変わった今だからこそ、昔楽しんでいたことをもう一度楽しんでみるのもいいですね。古いカメラを持ち出して、またのんびりぶらりと散策しようと思いました。

 フイルムカメラのシャッター音やフイルムの巻き上げ、どれも心地よい音なのですが、我が家で猫を撮影したら慣れない大きなシャッター音(ミラーの動く音)にビックリしていました(笑)

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■撮影機材:ペンタックスLX + SMC 55mm F1.8
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF1.8 焦点距離55mm ISO400(FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400)
※フジカラーCDデータ 白黒変換


■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。


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